声の短問短答【続編】188


「仮声帯発声ってありですか?」+《デスボイス》

基本的には“なし”でしょう。
仮声帯は前庭ヒダと称されます。
声帯の上方に存在します。
元々、鰓呼吸から肺呼吸に進化した際、水浸入防止弁として作られた声帯ヒダの付帯セキュリティとして構築された仮説があります。
それゆえ曖昧性の極みで、実際、仮声帯を動かすための筋肉は確認されていません。
つまり簡単に動かない。
いいえ、意図的に動かすことができないのです。
では、仮声帯発声は絶対に無いのでしょうか?
いいえ、あります。
それは、仮声帯の腫脹(主に病気)、前庭ヒダびらん、生まれながらに仮声帯が大きい場合、が挙げられます。
これらのケースでは、声帯の音に、仮声帯の振動音がプラスされます。
その結果、複合音(二重音)や音質低下が起こります。
一説では、デスボイスには仮声帯発声が必須であると言われていますが、真実はわかっていません。
繰り返しとなりますが、仮声帯を動かす筋肉が知られていないため、音をコントロールするのは至難と考えます。

e0146240_21425921.jpg




追記1:日々、わたしも各種音色の発声を練習しています。確かにデスボイスの場合、声帯で作った音(主に中低音)を、咽喉頭内部の軟部組織(前庭ヒダ・喉頭蓋のエッジ組織・口蓋垂。上咽頭周辺の膜組織など)をぶるぶるふるわせて完成させているのは確実です。精密な触診で、舌骨部の振動が最大であることも根拠の一つとなるでしょう。



追記2:デスボイスの習得には、内喉頭の軟部組織の弛緩が必須。また、舌奥部の空間も非常に大切ですから、やはり発声関与筋の柔軟性が成否を分けるでしょう。

e0146240_21432154.jpg



追記3:「仮声帯は絶対に動かないのか?」との質問には、「声帯ヒダに近いため声帯筋の運動の影響を受けて動かされることがある」とお答えします。
by aida-voice | 2014-02-11 11:02