声の短問短答【続編】142


「歌の練習は何時間が理想的ですか?」

歌声は喉頭筋運動の産物です。
声帯も、それを動かすのも、すべて軟部組織。
喉の中にスピーカーは入っていません。
したがって、歌唱運動も他のスポーツと同じと考えて良いでしょう。
以前、ある音楽教師が「うまくなりたいなら、毎日休まず10時間みっちり歌いなさい!」とおっしゃっていたのを記憶しています。
プロ野球選手やJリーガーが、毎日休まず10時間も練習していると思いますか?
さて、これらをふまえたうえで、練習時間を考察してみました。
個人差が非常に激しい部分ゆえ確実ではありませんが、連続歌唱で45分、その後15分は無声無音(声を出さない・音を聞かない)で休息を取り、もう一度だけ連続歌唱45分が、良声のための限界と考えます。
そう、サッカーの試合時間と等しい。
過去に、声の連続使用を検証したことがあります。
カラオケ好きの4人で、それぞれ一人カラオケをしました。(同じカラオケボックス店で4部屋をキープ)
まずは、声帯結節やポリープに罹患していないことを耳鼻咽喉科で確認。
カラオケの時間は6時間。
飲食はミネラルウォーターだけで、他の飲食および喫煙は禁止。
危険防止のため、喉に違和感を抱いたら即時中止としました。
①15分連続で歌い、15分休む(12インターバル)
②45分連続で歌い、15分休む(6インターバル)
③90分連続で歌い、30分休む(3インターバル)
④150分連続で歌い、30分休む(2インターバル)
6時間後、①と②の声は歌唱前とほとんど変わりませんでしたが、③と④は嗄声と声荒れを認めました。
とくに④は、2~3日、声の不調が続きました。
結果、②の45分の歌唱と15分の積極的休息が最も有効であると判断。
この検証には、男性3名と女性1名が参加しました。
本来なら歌唱能力、喉の丈夫さ、男女差、年齢差などを考慮しなければなりませんが、これはいずれの機会に。
繰り返します。
喉の健康と良声の維持を考えれば、極一部のタフなプロ歌手を除き、連続なら45分程度が賢明かと思います。

e0146240_22201055.jpg





追記:45分発声+15分休憩が理想。この15分の休憩は、積極的休憩が望ましい。つまり、休憩中に他の音楽を聴いたり楽譜を見たりすると、喉は動く気まんまんとなり、さらに、ミラー効果も発揮され、結局、喉の休息にはなりません。可能なら、楽な姿勢で、じっと目を閉じ、音楽や歌のことは考えず、穏やかに15分間を休んでください。その方が、その後の歌唱能力がメキメキ復活するはずです。

e0146240_0473225.jpg

by aida-voice | 2013-11-15 00:05