新しい喉観


これまでの化粧品は肌に浸透させるのが主流でしたが、皮膚は排泄器官と捉え浸透させない化粧品も流行っているそうです。
これはもう真逆の考え方。
時代によってコロコロ変わるのが、この世の常。
発声も似ているかも。
発声の主は声帯です。
これは間違いなく正しい。
しかし、ここには美しい声の要素は大きくない。
美声の主は共鳴腔。
これはギターの弦とボディ(胴)の役割を考えれば当然至極。
では、これまでは、なぜ声帯至上主義だったのか?
答えは・・・、美声を作り出す外喉頭を詳しく知る方法が無かったから。
声帯で音源を作り、共鳴腔で響きや音色を付加しているのです。
その共鳴腔は5つあり、その中で最重要は咽頭共鳴腔。
なぜ?
過去記事を参照してください。
詳しく書きましたので。
そろそろ最先端の喉観もほんの少し認識してくださいね。

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追記1:咽頭共鳴腔を最大活用するには、喉頭のポジションと運動性能(柔軟性とパワー)の要素が関わってきます。




追記2:整備不良で歌っている歌手が多いのにも驚いています。一流のギタリストが、ネックの付け根がガタガタするギターで奏でると思いますか? トップクラスのピアニストが、駒が不揃いのピアノで弾くと思いますか? 当サロンでも、ときどき、とても素晴らしい喉形をお持ちにもかかわらず、あまりにもお粗末な喉頭フィジカルを放置している歌手に驚きを禁じ得ないことがあります。まぁ、一度名前が売れ、曲の良さやキャラクター(人柄)が支持されれば、いつまでもチヤホヤされるのが日本の歌謡界ですからね。実力なんて二の次。そう、歌は、歌い手と聞くひとが満足すれば問題なし。ガラパゴス化しつつある日本独特の歌文化。これもありでしょう・・・




追記3:上写真内に「あなたの輪状甲状関節はちゃんと動いていますか?」と書いたのには訳があります。一般的に、この輪状甲状関節の動きが緩慢なひとが少なからずいます。ここの動きが悪い場合、輪状甲状筋のトレーニングをどんなに積んでも、高音発声が豊かになる確率は低いのです。例えるなら、膝の関節が硬くて曲がらない状態で、高くジャンプする訓練を受けても、走り高跳びの選手になるのは難しいでしょう。高音トレーニングをする前に、輪状甲状関節の可動域チェックをお薦めします。動かない関節では、高音が獲得できないばかりでなく、無理がたたると発声関与筋の負傷(筋断裂・筋膜炎症・輪状甲状関節亜脱臼など)も多発しています。ご注意くださいませ。


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追記4:なお、輪状甲状関節が動かなくても、生きて行く上で問題はありません。もちろん、病気でもありません。実際、高音も出ます。ただ・・・、その高音は・・・、声帯筋を固めた硬く金属音的な単なる高い音。聴くひとを感動させる芸術的な高音から遠ざかり、良好なコントロール性を拒否するようなもの。そう、選択は個人の自由です!






~重要なお知らせ~ ●外喉頭から考究する発声の理論と技術は日々進化しています。この記事は掲載時の情報であり、閲覧時点において最新・正確・最良でない可能性があります。すべての記事の内容に関し、一切の責務を負いません。●記事の内容は万人に適合するものではないため、当サロンの施術に関し、記事の内容通りの効果や結果は保証も確約もしておりません。〔当サロンでは役立てないと判断された場合、理由を問わず施術をお断りします〕●声や喉の不調は、最初に専門医の診察を受けてください。歌唱のトラブルは、最初にボイストレーナー(音楽教師)にご相談ください。





by aida-voice | 2013-11-05 13:38