声の短問短答【続編】115


「ジャンプは声に悪いの?」
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関係ないと思われます。
昔、あるソプラノ歌手が「フラメンコを習っていたけど、床を踏む強いステップが声帯に良くないって聞いたから、フラダンスに変えようと思っているの」と言っていました。
ほぼ根拠はありません。
もし質問の答えがYESなら、踊りながら歌うミュージカルなどは不可能になってしまいますよね。
では、どこからこの噂が生じたのか!?
推測の域を出ませんが、声帯ヒダが筋肉と粘膜の軟部組織から成り立っていることに起因するのではと考えます。
ジャンプすることで、このヒダがぶるんぶるんと揺れる・・・
そんな妄想をしたのでは!?
検証したことがあります。
医師の協力の下、喉頭ファイバーを見ながら体を大きく上下しましたが、声帯ヒダの揺れは確認できませんでした。〔ファイバー挿入下でのジャンプは危険ゆえ体幹の上下運動のみ〕
なぜ?
実は、声帯ヒダは皆さんが想像しているよりはるかに小さいのです。
声帯ヒダが動くのは、①呼気によって声帯ヒダがめくれ上がるとき、②発声関与筋肉によって披裂軟骨が回旋および内外転したときと、③ベルヌーイの定理によって声帯ヒダが正中に寄ってくるとき、の3パターン。
したがって、ジャンプそのものが、声に悪いとは断言できません。

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~喉頭触知研究時の會田の指と声帯 〔解剖は米国ドクター〕 写真を絵に変換~




追記:よく「首を回したり伸ばしたりすると、発声関与筋のストレッチになっていますか?」と問われますが、確実に効果的なストレッチングであるとは言えないでしょう。フラップマッスルを除き、首の動きによる影響は少ない。もし、首の動きと連動していたら、やはり、踊りながら歌えば音程や音量が急に変化してしまうことになります。これでは直立不動でしか歌唱は存在できない…。





~重要なお知らせ~ ●外喉頭から考究する発声の理論と技術は日々進化しています。この記事は掲載時の情報であり、閲覧時点において最新・正確・最良でない可能性があります。すべての記事の内容に関し、一切の責務を負いません。●記事の内容は万人に適合するものではないため、当サロンの施術に関し、記事の内容通りの効果や結果は保証も確約もしておりません。〔当サロンでは役立てないと判断された場合、理由を問わず施術をお断りします〕●声や喉の不調は、最初に専門医の診察を受けてください。歌唱のトラブルは、最初にボイストレーナー(音楽教師)にご相談ください。




by aida-voice | 2013-08-16 04:18