高音発声の奥義


音楽的に優れた高音発声は、輪状甲状筋の垂部と斜部を使って、輪状甲状関節を可動(ヒンジ運動とスライド運動)させることにあります。
より高く、より美しく・・・
まるで走り高跳びにそっくりですね。
ここであなたはジャンプの目標を2mと望んでいます。
でもあなたは1m80㎝しか飛べない。
あなたは練習します。
練習に練習を重ねます。
2mの記録を目指して。
どのように練習しますか?
一つは、バーを常に2mに設定し、バーをはじこうが折ろうが、クリアを夢見て根性で飛び続ける。
もう一つは、最初に1m85㎝に設定し、クリアしたら1㎝単位で徐々に上げ、繰り返しながら2mの目標に向かう。
どちらが効果的でしょう?
高音発声も同じで、高音が苦手な方が、好きな歌手が出しているハイピッチをいきなり真似ても無理。
いきなり到達できるものではありません。
自分の出せる高音の1度上を確実に発声できるように練習を続けることで、だんだんとハイトーンが可能になってきます。
とくにファンデーショントレーニング時に、高音発声を強要されると、外喉頭の環境が整っていない方は、輪状甲状筋の筋膜損傷や慢性努力型発声の悪癖が身に付いてしまうこともあります。
つい最近も、レッスンによって輪状甲状筋に痛みを生じたひとがお越しになりました。
決してレアケースではありませんよ。
外喉頭の様子を十分に観察すれば事故は防げます。
ご注意くださいませ。



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追記1:上図の緑色物体はハイジャン(走り高跳び)のマット、灰色部分はジャンパーとバーの影・・・、のつもりです。わかり辛く、申し訳ございません。




追記2:輪状甲状筋の筋損傷や筋膜断裂の処置は、弾性テーピングを用います。損傷部位を含む筋肉の起始停止をフルカバーするようにカットし貼付します。無関係な筋肉まで貼ってしまうと、発声運動が阻害されたり治癒速度が遅延したりする傾向にあるからです。




追記:3高音も低音も気合いや根性で出せるものではありません。仕組みがあるのです。詳しくは、喉ニュースの目次集で徹底的に学んでください。まだまだ研究途中で、100%正確ではありませんが、骨子や方向性を獲得できるものと信じています。ある種の天才を除き、やはり発声の理屈と自分の喉の構造を正しく知ってこそ、思い通りの声に近づくのではないでしょうか・・・
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by aida-voice | 2013-07-22 00:02