声の短問短答【続編】106


「とどのつまり、のどのコリを取るだけなんでしょう!?」

おっしゃるとおりでございます。
発声とは、呼吸筋によって作られた呼気が、外喉頭筋や甲状軟骨内筋を使って位置や形状を変えた声帯に当たり、それが振動して喉頭原音を作り出し、軟部組織で構成された主に五つの共鳴空間で音色や響きを加え、体外に可聴音波として放出する一連の動きの総称。
また、この動きに関し、正確無比な運動感覚を有するひとはほとんど存在しません。
あなたは、音階のドとラを発声するとき、ドはどこの筋肉をどのように使い、ラはどの筋肉を動かしているのか、それぞれ正しく解説して場所を指し示してください。
大勢にこの質問を投げかけてきましたが、正解者に未だ出会っていません。
それほどあやふやなのです。
そう、発声を一言でくくるなら“曖昧”。
この語句に尽きます。
さらに、発声関与筋の明確な拮抗作用の判断が難しかったり、同じ音を作り出すのにも動きの具合の個人差が大き過ぎたり、喉頭周辺筋の運動ベクトルが頚椎方向を主としていたり、曖昧のオンパレードが続きます。
発声にかかわる筋肉が、硬くなったり凝ったりすると、発声能力が低下することもわかってきました。
そこで、これらを解消すると、声が出しやすくなるのです。
実際、これこそが、ボイスケアサロンで行っている施術の最大の目的なのです。
声が出しやすいと、①楽に発声できるので、歌唱テクニックを習得しやすい、②力みから解放され、スタミナが増す、③長く強く発声しても、音声障害(声帯結節やポリープなど)になりにくい、などが挙げられます。
決して、歌をうまくしようとか、音痴を直そうなど、大それた考えはありません。
したがって、質問者様の問いかけは至言なのです・・・

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追記:研究すればするほど、さらに芸術性を加味させると、ますます曖昧さが大きくなってきます。「だからこそ歌唱はひとの心を揺さぶるんだよ」と言った知人の歌手兼ボイストレーナーの言葉が深く染み入ります・・・





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喉頭の筋肉の硬さや各種情報を指先に叩き込むことで
かなり正確なアプローチが可能になります…

by aida-voice | 2013-07-20 02:30