かすれ声の芸術【過去記事再掲載】




勝手な私的空想になりますが、美術で例えるなら、実声を重んじる歌声は写実主義(ダビンチやミケランジェロなど)、かすれ声を多用する歌声は印象主義(ゴッホやゴーギャンなど)に似ているのではと考えます。

この二つは異なる傾向にありますが、どちらが立派などと決められるものではありません。

あなたが好きな作品を選べば良いのです。

あなたが好きな画家を信じれば良いのです。

声も同じ。

声帯同士がピタッと合った堅実で朗々とした歌声もカッコいい、声帯の隙間からの息漏れが混ざったセクシーな声の歌もステキ・・・

要はあなたが選択し、聴者が評価するのです。




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追記1:かすれ声を嗄声(させい)と称します。健康に問題ない程度の嗄声はたくさんありますが、病的な嗄声(声帯炎、声帯結節、ポリープ様声帯、反回神経麻痺、逆流性食道炎、喉頭癌など)もありますので、急にかすれ声が現れた場合は、まずは優秀な音声専門耳鼻咽喉科へどうぞ。




追記2:「地声と裏声」と「実声とかすれ声」の関係を知り、そのコントロール法を習得すれば、声質の表現力はグンと増します。ヒントは、①声帯筋と声帯粘膜の使い分け、②かすれ声とファルセットの緻密な関係、③エッジボイスとのからみ、でしょうか…。そう、かすれ声は思い通りに制御できるのです。ご活躍をお祈り申し上げます。





~重要なお知らせ~ ●外喉頭から考究する発声の理論と技術は日々進化しています。この記事は掲載時の情報であり、閲覧時点において最新・正確・最良でない可能性があります。すべての記事の内容に関し、一切の責務を負いません。●記事の内容は万人に適合するものではないため、当サロンの施術に関し、記事の内容通りの効果や結果は保証も確約もしておりません。〔当サロンでは役立てないと判断された場合、理由を問わず施術をお断りします〕●声や喉の不調は、最初に専門医の診察を受けてください。歌唱のトラブルは、最初にボイストレーナー(音楽教師)にご相談ください。



by aida-voice | 2018-01-05 11:38