オーディオと耳


~オーディオ好きの皆様へ~

良音を作り出すオーディオ機器やアクセサリー(ケーブルやインシュレーターなど)は針の先ほど繊細にこだわるのに、ご自身の耳の精度を気にしないのはなぜでしょう?
インプットとして最も大切になるのが耳。
結局は、生身の人間が聴くのですからね。
500万円のスピーカーを使っても、20万円のコードを用いても、聞こえの確度が悪ければ意味をなしません。
自分の耳の特性を知ることも重要なのでは???
ご存じのように、わたしも中学生のころからのオーディオマニア。
40年近く前、高額なステレオシステムを高校合格祝いとして祖父母に購入してもらったほど。
以来、時間と金銭の続く限り、探求しました。
それゆえ、今のマニアックな喉と声と歌の研究が成り立っているものと、家族や環境に感謝しています。
さて、ここで実験。
一つの音楽を決めます。
さまざまな音の要素が含まれた録音の良好な曲を選択。
何度も何度も何度も何度も聴き込みます。
次に、不衛生を重々承知で、一ヶ月近く耳掃除をせず、耳垢を溜めました。
その状態で曲を聴きます。
さあ、待望の耳掃除…、あぁ、気持ち良い…
その直後、同じ曲を聴いてみました。
オーディオ機材や再生条件(音量など)はまったく同じ。
感覚として「おぉ、明らかに音が良くなっている!」「ボリュームを上げた!?」「高音がシャープになった!」「低音の深みが増した!」「音場が広がった!」「音の輪郭がはっきりした!」など、ワンランク上の音に変化したのです。
さらに実験。
同じ曲と同じオーディオ機器を利用します。
まず、耳介と耳孔の周辺を氷嚢でキンキンに冷やします。
冷たすぎて、これ以上は無理と感じたら、試聴します。
次に、ゆっくり常温に戻し、その後、ホットパックで温めます。
心地よく温かくなったら、同様に試聴。
結果・・・「そんなバカな!!!」と絶句するほど音が良くなっている。
なぜ?
答えは簡単。
ヒトが音を聞くのは、鼓膜。
そう、空気の疎密波によって鼓膜を振動させ、それを電気信号に変えて神経で脳に伝達する。
鼓膜も神経も身体の一部。
つまり生命の宿った体なのです。
生きるためには豊富な血流が必要。
冷やされると、聴覚に関わる血管(毛細血管を含む)が収縮して、血液循環が低下します。
これでは音を捉える能力も落ちてしまうでしょう。
さらに神経伝達速度も低下するかもしれません。
オーディオに何百万円もかけるのと同時に、良い音を聴くためにも、インプット機能として重要なご自身の耳もケアしましょう。

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追記1:中学生のときの尊敬するオーディオ評論家は瀬川冬樹氏でした。論理と感性のバランスが絶妙で、いつも彼の文言に感動していました・・・



追記2:聴覚は、体調・疲労・病気・精神不安・ストレス・天候(気温や湿度)・時間帯・加齢・食前食後・スポーツなどでも大きく変化します。



追記3:なお、ここに載せた内容は、耳鼻科的な聴力を意味するものではありません。聞こえるか聞こえないかではなく、 “良い音を聴きわける能力” についてです。



追記4: 『オーデォマニア向け耳のケア』 は、知人の医師と談義中です。何らかの方策がまとまりましたらご報告いたします。
by aida-voice | 2013-06-17 00:03