声の短問短答【続編】75


「マリア・カラスは、声の調子にナミが多いのはなぜですか?」
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マリア・カラスに関しては研究を継続しています。
以前、同じ曲の同じ場面で、年代によって、喉頭の深奥状態が異なる発表をしました。
動画や画像で確認した結果、LDPの存在が予想されるのです。
その後、そのLDPによって、披裂軟骨小角に圧が加わり、声門が開大しやすくなることがわかってきました。
無意識の声門の開大…、これは声帯が勝手に開いて息が漏れる嗄声 【嗄声(させい)=かすれ声】 を引き起こします。
よって、LDP(-)の好調時は、声帯の効率が良く、咽頭共鳴腔の大きなマリア・カラスの声は極上に仕上がります。
逆にLDP(+)の不調時は、声帯が開いてかすれ声になり、共鳴腔を小さくし、喉締めによる発声関与筋の運動性の低下を招き、劣悪な歌声になります。
とくにマリア・カラスの甲状軟骨・舌骨は大きく咽頭共鳴腔の活用に頼る傾向にあり、好・不調の差〔LDPの有無〕によって、音色が大きく変化しやすいのでしょう。
このようにマリア・カラスは、悲恋によるメンタルだけでなく、フィジカル変動によって、ナミが大きかったと推測します。
それでも彼女の喉頭は素晴らしく、わたしは “嗄声の達人” であると思っています。
深夜の音楽鑑賞時、昔のマリア・カラスのレコードをハイレゾに変換してPCに入れ、トライオードの真空管アンプ(TRIODE TRX-PM84)とグラドのヘッドホン(GRADO PS1000;Version2011;プロフェッショナルシリーズ) でじっくり聴き込むのが、わたしの至上の喜びなのです。

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追記:空間能力を開発するためには、スピーカーを用いましょう。ハイレゾ変換したソースでも、結局はマリア・カラスの歌唱録音時期が半世紀前ゆえ、口径の大きいコーン紙振動板を使ったJBLやアルテックをお薦めします。奥行きと音色の構成を味わい、自身の歌に引き込んでください。男女や声種を問わず、マリア・カラスの歌声は、マジ勉強になりますから・・・
by aida-voice | 2013-05-13 00:02