大きな声が出ない… 前庭振動が音を消していた!? 解〔迷〕答編





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前回の続きです。
十分なご理解をいただきたいため、まずは、もう一度お話をお読みください。
大きな声が出ない… 前庭振動が逆位相の音を作って消していた! 問題編
それでは解き明かしましょう。
彼の声の中に違和感を抱いていたことと、喉頭ファイバー写真が決め手でした。
まず、声が小さい。
この小ささは、呼気が弱かったり声道が狭かったりする声の小ささではないと感じました。
喉頭ファーバーの写真を見ると、片方の前庭(仮声帯)が声門正中に寄って震えている様子が映っていました。
頻繁ではありませんが、耳鼻咽喉科で外喉頭外来を担当していたときに何度も遭遇しました。
前庭が声帯を覆ってしまい、正常な発声を阻害したり仮声帯発声したりする場合は喉の病気を考えるべきですが、彼は専門医から正常のお墨付きをいただいている。
だからノープロブレム。
この状況からひらめいたのです。
それを確かめる方法がありました。
右手で喉頭のある部位を摘まみ、左手で甲状軟骨を反転させながら指を差し入れ圧迫。
「お名前をおっしゃってください」
「はい、〇〇〇〇です。おぉぉぉぉ、声が、大きな声が出てる!」
この件です。
何が起こったのか?
実は、声帯で作られた音波を打ち消す逆位相の音波を前庭が作り出しているのではないかと妄想し、わたしの手指を使って前庭の動きを封じ込めたのです。
すると、案の定、声帯で作られた声は各共鳴腔を通過して大きな音として口外へ発せられたのでした。
ところで、この理論が正しいかって?
音響に詳しい友人に訊いたところ、逆位相で音を打ち消すには完璧な逆波形と完全なタイミングが必須であることを知りました。
声帯で作られた音の正確無比な反対波形を前庭が作れるわけがありません。
無理です。
そこで考えられるのは、前庭が動くことによって声帯振動が阻害された可能性。
わたしの手指を使って前庭の動きが抑制され、声帯本来の振動が戻ったと考えれば合点がいきます。
これでめでたしめでたし…、ではありません。
仮説的な原因がわかっただけで、根本的および恒常的な解決策は見当たりません。
まさか、24時間365日、常にわたしが隣で操作するわけにもいきませんからね。
これからの研究課題です。
なお、わたしの手指の替わりに弾性テーピングを貼付して経過を観察したところ「以前より大きな声が出ている」と彼から報告をいただいています。
何か「これぞ!」という良い方法はないでしょうかね???




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 會田茂樹|あいだしげき 




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by aida-voice | 2016-09-13 09:16