声の短問短答【続編】48


「甲状腺の手術にフェムト秒レーザーが用いられるようになれば瘢痕・癒着も少なくなる?」

はい、その可能性が高いのではないでしょうか。
現状のレーザーメスは周辺の軟部組織を加熱して圧力を高めますが、フェムト秒レーザーなら発熱を抑えられるようなので、患部周辺の軟部組織に大きな負担をかけません。
レーザーメスの使用によってフラップマッスルの瘢痕・癒着ができやすくなるプロバビリティーは、以前、伊藤公一先生(甲状腺疾患専門伊藤病院院長)に伺った記憶があります。
また、一色クリニックや東京医科大学病院で、喉頭枠組み手術を数々見学させていただき、レーザーによって軟部組織の焦げる様子を何度も目の当たりにしてきました。〔一色先生、渡嘉敷先生、金沢先生、長井先生に、大変お世話になりました。謹んで御礼申し上げます〕
上記一流の先生の手術を見ながら、「このレーザーメスの熱で止血効果が得られるのか…。手術の進行がスムーズで感染リスクが少なく、患者さんや術者の負担も大幅に減るため理想的だと思う。しかし、これだけ焼けた臭いが漂うことを考えると、甲状腺手術時のレーザー照射部は不正断面になるのだろうなぁ…」と感じました。
逆に、切り口がスパッとしていてれば、筋肉や筋膜の瘢痕もできにくく、これに引き続き癒着も存在しなくなると予想できます。
出血を抑えながら、それを可能にするのが、フェムト秒レーザー。
早々に医療現場にも取り入れられると良いですね。
甲状腺手術後の突っ張り感や発声のし難さが、大きく軽減されるものと期待しております。

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追記:今回は、希望的観測に基づく個人的な願いを書きました。現在、甲状腺手術後に声が出し辛く困っているひとが大勢お越しになっています。この手術は、命にかかわる甲状腺の癌や病気を治すために行われます。命を最優先すれば、声は二の次であるのは当たりまえ。反回神経も温存できれば万々歳。しかし、ときに手術創周辺軟部組織の瘢痕・癒着によって発声がし難くなる。声は出ます。歌も歌えます。「気にし過ぎだよ」と言われたらそれまで。しかし、声を大切にする方には、自分の声が前とちょっと違うことを感じてしまいます。本当に辛い現実なのです。この先、少しでも減るよう願っての記事です。なお、当サロンは、甲状腺手術後の声の出し難さの改善を求め外皮からアプローチを行いますが、甲状腺の病気そのものや手術の内容には関知していません。それら詳細は主治医にお尋ねください。
by aida-voice | 2013-01-31 11:10