声の短問短答【続編】41


「舌骨を前に軽く押し出すように歌い始めると良いの?」

本当です。
理由を記載しましょう。
二つあります。
①咽頭共鳴腔を広げることで、音色の良さが生まれる
②喉頭蓋を垂直に立てることで、呼気の排出効率が上がり、声帯の鳴りが向上する
筋肉の特性を考え、一旦、収縮すると自己伸展が難しいことから、発声と同時に舌骨を前に軽く押し出すような感覚がベターです。
舌骨を正しく前へ出す筋肉はオトガイ舌骨筋(補助として顎二腹筋前腹)ですが、これを正しく可動させるのは至難の業。
また、中咽頭収縮筋の柔軟性も確保していなければなりません。
この中咽頭収縮筋が曲者なのです。
本来は嚥下・摂食のために存在しています。
しかし、次の三点によって発声に悪影響を与えてしまいます。
1:筋硬化によって甲状軟骨を固定してしまう
2:筋線維が地面に水平に走っていくタイプ(個人差)があるため LDP に関与しやすい
3:筋線維に結合織線維が混じっているケースが多々ある
中咽頭収縮筋には目を光らせてくださいね。
舌骨を前に軽く押し出すように歌い始め、咽頭共鳴腔の空間を感じ取り、その空間で構築される響きや艶を楽しんでください。
きっと、皆が驚くような美声になりますよ!!!

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青色楕円部と赤色楕円部の広さを比べましょう!




追記1:ただし、力んでしまうと、胸骨舌骨筋・肩甲舌骨筋・甲状舌骨筋が硬くなり、輪状甲状関節の動きを阻害し、ピッチのコントロール性能が失われます。ここからはマニアのための内容です。この際、胸骨舌骨筋は輪状甲状筋垂部を、肩甲舌骨筋が輪状甲状筋斜部を制限します。甲状舌骨筋は舌骨を引き下げに動いた場合、オトガイ舌骨筋の拮抗作用となって、舌骨の前方移動を抑制してしまいます。




追記2:当サロンには、歌手や声優になりたい方が大勢お越しになります。実は、その多くが素晴らしい形状の喉なのです。やはり、この分野で活躍できる可能性がある声であるのを、無意識に感じ取っているからなのでしょう。そこで、秀逸な喉頭をお持ちの方は、是非、ご両親に感謝してください。自分自身で作り上げたものではなく、お父さんお母さんからいただいた宝物。思う存分、最高の喉と声を楽しんでください!
by aida-voice | 2013-01-16 14:08