声帯は異常ないのに、声がかすれる本当の理由!? パート1


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僕は元々ハスキーボイスなのか、声がかすれたり枯れたりします。声が出ないとか、聞き返されるほどではありませんが、かすれ声が気になってしかたありません。ボイストレーナーの先生からは「閉鎖筋が弱いから鍛えなさい」と言われ、さまざまなメソッドで訓練しました。また、耳鼻咽喉科で声帯を診てもらったところ「喉や声帯に異常は認められません」と言われた。もしかすると内科的な病気があるかと考え、総合病院で検査したけれど、健康そのものでした。『なぜ、声がかすれるのでしょうか?』 この疑問が頭から離れません。會田先生のところで原因が分り、改善する方法があればと願っています。宜しくお願い致します。


このような依頼を受けました。
本当にお困りの様子。
お力添えができれば良いのですが、実際に外喉頭を詳しく検査しなければなりません。
これまで、同じようなケースに多く出会ってきました。
まずは、外皮から喉頭筋を調べます。
次に、閉鎖筋(外側輪状披裂筋、横披裂筋、甲状披裂筋)。
この閉鎖筋は、甲状軟骨を反転させ、指を差し入れ触診するため「喉頭周辺筋および咽頭収縮筋に柔軟性があること」が必須条件となります。
LDP では不可能なのです!
いろいろ調べますが、これらの検査の結果、外喉頭筋群にも閉鎖筋にも問題がないことがほとんどです。
つまり、このひとの声は異常ではなく、本態性の嗄声(かすれ声)であって、個人差の範疇に属すことになります。
そう、個性とも言えます。
しかし、ご本人は悩んで苦しんでいらっしゃる…
一つだけ気になった点があります。
それは、各筋肉を触診しているとき、「あれっ、右と左とでは筋肉の厚みが大きく違うぞ!」と感じ取れるのです。
このような原因のわからないかすれ声があるひとのほとんどに筋肉の左右差がありました。
やや仮説となりますが、現実的な筋肉の状態と発声物理の理論から、以下の様態が考えられるのです。
模式図を描きましたのでご覧ください。
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説明は箇条書きで失礼します。

上から見た声帯

●呼吸のため声帯ヒダが開いている。figure1

●発声のため声帯ヒダが閉じている。呼気が声帯ヒダを弾いている。ここでは声帯筋と声帯粘膜の振動の違いは求めず、一括して声帯ヒダとします。(声帯筋と声帯粘膜の同時振動時を地声、声帯粘膜の振動だけのときを裏声と称します)figure2

横から見た声帯
  声帯ヒダが閉じ、呼気は昇っていない状態

●左右均一の声帯ヒダ。figure3

●左に比べ、右の声帯ヒダが肥厚している。figure4

●左に比べ、右は細く長い声帯ヒダ。figure5

  呼気が声門を通過した状態

●左右の振動が相似形。つまり、空気の流れを漏れなく声帯振動に変換している。figure6

●左に対し、右は厚く重いため、声帯ヒダのめくれあがりが遅くなり、息が漏れている。つまり、かすれ声になる。figure7

●左に対し、右は薄く軽いため、声帯ヒダが早く大きくめくれあがって、息が漏れている。これも、かなりの嗄声が生じる。figure8



やはり、これは個体差なのでしょうか、皆さんも左右の腕の長さや、左右のももの太さは多少は違っているはず。
身体の左右が、完璧にピタッとそろっている人間は誰一人いません。
これらを考察し、生まれつきなのか癖なのかを的確に判断すれば、改善できるものに関しては適切なアプローチによって、かすれ声を減らせます!!!




追記:LDP による嗄声や枯声は、回復の可能性が大であると考えています。喉頭が深奥化することで披裂軟骨小角と頚椎体前面の圧により声門(主に後方部)が開き息が漏れます。つまりかすれ。この現象を解除すれば嗄声は解消します。中および下咽頭収縮筋や肩甲舌骨筋がキーワードでしょうか…


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喉と声のスポーツトレーニング&リラクゼーション
 ボイスケアサロン
 會田茂樹|あいだしげき





~重要なお知らせ~ ●外喉頭から考究する発声の理論と技術は日々進化しています。この記事は掲載時の情報であり、閲覧時点において最新・正確・最良でない可能性があります。すべての記事の内容に関し、一切の責務を負いません。●記事の内容は万人に適合するものではないため、当サロンの施術に関し、記事の内容通りの効果や結果は保証も確約もしておりません。〔当サロンでは役立てないと判断された場合、理由を問わず施術をお断りします〕●声や喉の不調は、最初に専門医の診察を受けてください。歌唱のトラブルは、最初にボイストレーナー(音楽教師)にご相談ください。




 
by aida-voice | 2016-04-23 14:13