国立音楽大学での講義


今日は国立音楽大学で講義を行います。
その資料の一部が以下です。
ご参考までに・・・


~声の5大原則〔ボイスケアサロンのオリジナル法則〕~
①声は、声帯を含め、すべて筋肉から作られる
 (喉にスピーカーやアンプなど機械は入っていない)
②声帯は、筋肉と粘膜からなり、声帯の筋肉は自分では動かない
 (喉の筋肉とベルヌーイの定理〔呼気を利用〕で動かされている)
③実は・・・、声の良さは、声帯よりも、その上位にある共鳴腔で決まる
 (楽器の構造に似ている)
④美声には、喉の筋肉に柔軟性がなければならない
 (他のスポーツと同じ)
⑤歌が上手か下手かは、フィジカル(喉の〔基礎〕運動能力)と、テクニック(歌の技術)と、メンタル(精神や歌心)の、掛け算(積)によって決まる
*なお、メンタルは、アーティスティック(芸術性)やセンス(感性)と置き換えてもOK

~声の成り立ち~《声帯の起源は誤嚥防止のストッパー!?》
声帯は、鰓呼吸から肺呼吸に進化した際の水侵入防止の肉壁だったとの仮説があります。その論理からすると、声専用のメカニズムとしては外喉頭の筋肉達が曖昧に作られているのは納得がいきます。ヒトの体の骨格筋は約六百三十本、その中で喉頭には二十数本〔個体差が大きい〕あるようです。手足の筋肉は動きや硬さを自覚できるのに対して、喉の筋肉はそれらの感覚が無いのです。あなたは、音階のドを発するとき、どこの筋肉をどのように使っているか感じ取っていますか? また、ラとの違いはどこですか?

~声帯のおおまかな位置(外皮から観察)~
耳鼻咽喉科では喉頭ファイバーで声帯を直接見ることができますが、皮膚上からの場所を知ってください。喉頭隆起と甲状軟骨下端の二等分点の高さに位置し、甲状軟骨翼の大きさ内に収まっています。

~共鳴腔の存在~
また、声帯は、弦楽器で言うところの弦にあたります。例えば、アコースティックギターの弦をボディ(胴)から外し、つま弾いても、確かに音は出ますが、決して良い音にはなりません。さらに、弦をピンと張れば高音に、弛めれば低音になります。しかし、これもステキな高音とか豊かな低音のような形容詞は付かず、単なる音高だけなのです。これと同じで、声帯は音源とピッチのみ担っているのです。
では、ヒトの場合、ギターのボディはどこにあるのでしょう。それが共鳴腔(医学的ではなく、歌唱用として五つあると考えます)です。この共鳴腔を駆使できるようになれば、極上の声が完成します。共鳴腔は、すべて軟部組織で構成されています。つまり筋肉や粘膜。この辺りもスポーツと酷似しており、柔軟性と運動性が求められます。

~もう一つの大原則《呼吸》~
「空気が流れなければ声は生まれない」
声帯を振動させるのは呼気です。そう空気。それも存在するだけでなく、流動しなければなりません。それを生むのが呼吸です。楽器で例えるなら、ピアノの鍵盤を打鍵する力(タッチ)、ギターなら弦をつま弾く力(ストローク)です。この力が弱ければ、音を作ることができません。十分なパワーをコントロールしてこそ、最高の強弱法が身に付くのです。特に声楽やオペラなどクラッシックは、歌唱時のP・PPとF・FFとの差異が明確なほど、聴衆に感動を与えることができます。PPでも、大きなホールの最後尾の席まで聴こえること。これが重要になります。


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追記:教室では実技(真呼吸三法など)も行います。当喉ニュース内では割愛させていただきます。
by aida-voice | 2012-11-29 15:00