えっ、肩甲舌骨筋の位置が変わる!?


延べ16000人以上の方々を外皮から観察し、肩甲舌骨筋の意外な動きが徐々にわかってきました。
中でも肩甲舌骨筋が大きく盛り上がるひとを詳しく調べました。
その結果、周辺筋膜の差異によって二種類の動きを呈することが判明。
中間腱の位置が動かないパターンと斜め上方へ動くパターンに。
前腹と後腹の合力によって移動位置が異なります。
絵図で解説します。
大切なポイントは、各絵の肩甲舌骨筋の動き具合と甲状軟骨のポジションを確認すること。
最初が無声時の肩甲舌骨筋と甲状軟骨。
筋腹(赤線)が細く、甲状軟骨の位置もノーマル。
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さて、肩甲舌骨筋を活動させてみましょう。
まずは中間腱が動かない場合。(緑丸印を動かない)
前腹の影響を受けやすく、甲状軟骨は斜め下方へ向かいます。(黄色矢印)
ローラリンクスの LDP ですね。
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それでは次に中間腱が動くとき。
これは筋膜同士が分離して独立している状態が予想されます。
なぜなのか、正確にはわかっていません。
生まれつきなのか、過緊張が続いてそうなるのか、何らかの外傷なのか・・・
肩甲舌骨筋全体が斜め上方へ移動し(緑矢印)、甲状軟骨は頚椎側に向かい(黄色矢印)、真の LDP を形成します。
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長年にわたり数々検証したところ、痙攣性発声障害や発声時頚部ジストニアの方々に多く見られました。
きっと強い力の作用が加わるからでしょう。
肩甲舌骨筋は表皮に近い外喉頭筋の中で、発声のカギになる存在です。
今回は中間報告の様相でしたね。
この辺りは、まだまだ深く研究しなければなりません。
刻苦勉励を範として続けていく所存です。
今後の新事実にご期待ください。



追記1:肩甲舌骨筋全体が斜め上への移動があったとしても、ほとんどのひとは数ミリ程度です。身体の不確定さの範疇ですから、心配はいりませんよ。



追記2:肩甲舌骨筋の中間腱は頚筋膜を緊張させ、内頚静脈の開在を維持する役目もありますから、中間腱が最適な場所に移動することも、あり得る話しかもしれませんね!?



追記3:痙攣性発声障害や発声時頚部ジストニアで片側の肩甲舌骨筋が大きく浮き上がる方は、その動きを制すれば改善への確かな道標となります!!!
by aida-voice | 2012-11-03 02:52