声の短問短答【続編】13


「歌がうまい人と、そうでない人と、からだに違いってあるの?」

一般的に歌がうまいと評価されているひとと、そうでないひとに、多人数&複数回協力してもらいました。
前者をAグループ、後者をBグループと称します。
今回は、無声時における両グループの身体の相違を探ってみました。
つまり「歌がうまいひとの体には何か特徴があるのか?」と。
それも歌っていない状態で。
調べたのは25項目に及びます。
最初に甲状軟骨の形状を測り、独自の指標を作りました。
各人の甲状軟骨を比べるための測定方法として、甲状軟骨最大横幅+甲状軟骨翼の長さ×2としました。
この合計を「甲状軟骨値」という名目で用います。
また、筋硬度は、トライオール社 NEUTONE TDM-N1 を使用。
それでは検査項目です。
1甲状軟骨値そのもの
2外喉頭の筋硬度(個別の各筋肉)
3身長と甲状軟骨値の関係
4首の長さ
5頚椎の湾曲度合い
6肩の高さ(左右差を含む)
7喉頭隆起から下顎骨オトガイまでの距離
8首の上下左右の動き具合
9舌の長さと可動性
10唇の大きさ(横幅と厚みなど)
11耳の大きさと形状
12下顎骨の大きさと角度
13歯並びと噛み合わせ
14むし歯の有無
15視力
16鼻の疾患の有無(副鼻腔炎など)
17アレルギーの有無
18鎖骨の形状
19腋部と第10胸椎部のバストの合計値
20最大吸気時と最大呼気時のバストの差
21一分間の呼吸回数(安静時)
22通常肺活量
23僧帽筋や起立筋の筋硬度
24姿勢の特徴
25血圧
さあ、結果は?
ありました!
21番です。
一分間の呼吸回数は、Aグループが15回に対し、Bグループは19回だったのです。
これは平均値の小数点以下を四捨五入した整数値。
実は、残念ながら当結果の正確な意味はわかっていません。(たまたまの数値である可能性も否定できませんし、この差を取り上げてよいものかも迷うところ)
推測の域を出ませんが、平常時から深い呼吸が無意識にできているのでしょうか。
しかし、肺活量はまちまちでした。
何だか頭が混乱してしまいますね。
肺活量は、肺に空気が入る量を示します。
したがって、やはり量の問題ではなく、動きにポイントがある〔真呼吸の構築〕と考えるべきなのでしょうか。
結局、証明には至っていません。
なお、「歌がうまい」ではなく、「声の質が良い」に重点を置いて調べてみると、にわかに21番の蓋然性は乏しくなっていました。
その他の結果についても、見逃している細部があるかもしれませんので、この先も引き続き、あらゆる角度から検証したいと思っています。
今回の記事は、肩書きある科学者から「エビデンスが脆弱だ」と叱られそうですね。
まずは謹んでご報告いたします。

声の短問短答【続編】13_e0146240_13193012.jpg





追記:再考察は必要ですが、やっぱ呼吸って大事なんですね。声帯を振動させて音を作り出す根源なのですから。呼吸機能の存在に感謝しています。

声の短問短答【続編】13_e0146240_124353.jpg



声の短問短答【続編】の詳解



さあ、もっと声を勉強しよう! ⇒ ニュース
by aida-voice | 2012-10-05 11:42