邦楽の「笑い」は喉に負担がかかる!?


Past Article Reorganization 


e0146240_1762661.jpg
 

名高い歌舞伎役者、能や狂言の方々の外喉頭も多く診させていただいております。
これまで度々ご招待いただき、歌舞伎座、国立劇場、観世能楽堂など各所へ行きました。
楽屋挨拶させていただきますが、いつも驚くのは、立派な胡蝶蘭の鉢植えの数。
数えきれません。
蛇足ですが、花の多さやゴージャスさで比べるなら美輪明宏さんの楽屋が最高でした!
さて、邦楽の声の話に戻しましょう。
いきなりキーポイントですが、和の唄には大切な特徴があります。
それは低音。
年齢や役柄の出世と共に低い声を求められます。(一部例外あり)
さらに、和の唄の多くは、呼気の空気圧を声帯に押し当てる発声を多用しています。
中でも「笑い」は、かなりの圧力がかかり、脆弱な声帯ヒダや声門裂を閉じる筋肉(外側輪状披裂筋、横披裂筋、甲状披裂筋)の力が弱いひとは、声が割れたり引っくり返ったりかすれたり(嗄声)します。
過使用していると、声帯結節などの音声障害に罹患しやすくなります。
ボイスケアサロンへお越しになるプロのボイスユーザーには、常に口を酸っぱくして言っている喉と声の条件が二つあります。
① お客さんに最高の状態の声を提供すること。 【そこに感動が生まれ、その結果として対価を頂戴する】
② その極上の声を長く続けること。 【最良のパフォーマンスを継続してこそ本当のプロ】
 
これを満たさなければ、お客さんは去っていくでしょう。
この言葉は邦楽だけではありません。
他のジャンルのミュージシャンやアーチストにも共通する普遍的事実なのです。
声楽でもオペラでもロックでもJ-POPでも演歌でも民謡でも同じ。
プロの歌手は、そのひとの声と曲で金を稼ぐのですから。
最後に、声帯に負担のかからない邦楽の「笑い」の手法は以下の三点です。
Ⅰ 喉頭の血流を増加させて、発声の運動性とスタミナの向上を図ること。
Ⅱ 動きながらでも正座した状態でも、歌唱肺活量〔※〕をアップさせ、呼吸効率をベストにすること。
Ⅲ 咽頭共鳴腔の中でも喉頭蓋の動きが関与しやすい部位の空間構築能力を身につけること。
この三点を獲得すれば、長く活躍できる喉と声を構築できるはず。
歌舞伎・能・狂言の、さらなるご成功とご発展をお祈りしつつ・・・


e0146240_1763361.jpg
 


追記1:歌唱肺活量〔※〕は当サロンの独自検査です。一般に計測する通常肺活量と歌唱肺活量は異なります。前者は一気に一定の呼気の流れを計測しますが、後者は呼気を大きくしたり小さくしたり早くしたり遅くしたりと変化をつけて計測します。通常肺活量は少ないのに、歌唱肺活量は増加するエリートボイスユーザーを大勢知っています。やはり、そのひとたちは、声や歌声が素晴らしいのです!!!



追記2:中学生のとき、祖父母と淡路島を旅しました。そのとき観た淡路人形浄瑠璃に感動したことを今でもはっきり覚えています。お土産で浄瑠璃人形(顔のみ)を買い、帰宅後、文楽の資料を集めて研究したことが懐かしく思い出されます。オペラはアリアを歌うほど大好きですが、昔から邦楽も大好きでした。





喉と声のスポーツトレーニング&リラクゼーション
 ボイスケアサロン
 會田茂樹|あいだしげき 

 
by aida-voice | 2016-05-29 00:45