解剖触診検証による甲状舌骨筋の重要性


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甲状舌骨筋の触診の様子を絵で表現(解剖は医師による)


胸骨甲状筋は、胸骨舌骨筋と同様、嚥下・摂食の喉頭下制と発声最終相を担っています。
さらに、高音発声時の喉(甲状軟骨)が上がってしまうのを抑制する役目もあります。
摘出喉頭の触診の結果、どの検体も胸骨甲状筋の筋腹が非常に薄いことがわかっています。
筋力は、その筋肉の横断面積に比例しますから、この薄さでは、懸垂機構によって引き上げられる大きな力に拮抗できるか疑問に思えてきます。
そこで、登場するのが甲状舌骨筋。
この筋肉が舌骨と甲状軟骨の間を繊細にコントロールしている可能性があります。
胸骨甲状筋とは逆に、意外と筋肉の厚みがあったのです。
つまり、しっかり動いている証拠。
したがって、胸骨甲状筋と胸骨舌骨筋を助けたり拮抗させたり、重要な存在であると考えます。
その他、気づいた点を二つ。
①胸骨甲状筋と胸骨舌骨筋は筋膜癒合のケースも多く、その際は共同活動していると思われる。
②甲状舌骨筋の過緊張により甲状軟骨舌骨間が狭くなり上喉頭動脈を圧迫して血流を低下させる疑いが浮上。
少しずつ外喉頭筋の詳細がわかってきましたね。
ご献体くださった心優しい方のためにも、さらなる研究ならびに発声に役立てるアプローチ構築をお約束いたします。


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甲状舌骨筋=赤線、胸骨甲状筋=黄線、胸骨舌骨筋=青線



追記:②の上喉頭動脈血流不足は LDP 状態でも確認済み。



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by aida-voice | 2012-10-01 04:31