声の短問短答【続編】1


「高音発声時に喉仏が上がってしまうのですが、間違った発声方法でしょうか?」

外皮から、この状態を観察および触知してみましょう。
ⅰ甲状軟骨と舌骨、舌骨と下顎(オトガイ部)が狭く固まっている
ⅱ甲状軟骨が深く奥まっている〔見えていた喉頭隆起も見えなくなるケースが続出〕
ⅲ茎突咽頭筋、茎突舌骨筋、中咽頭収縮筋、顎二腹筋(前腹および後腹)がギュッと縮んで硬くなっている
このような結果が出ました。
個別に解説します。
ⅰでは、甲状軟骨および舌骨が挙上しています。
音高(ピッチ)や個人差によりますが1~3cm程度。〔無声時と比較〕
そう、カチカチに力んでいるのですね。
このポジションは、①甲状軟骨舌骨間が狭くなることで、上喉頭動脈の血流が不足し、スタミナが低下する、②舌骨が挙上することで、舌骨上筋群や舌筋の動きを阻害し、滑舌が悪くなる、の二つの様態を呈することとなります。
ⅱは、一時的な深奥化を意味します。〔恒久的なLDPとは異なります〕
これによって、③咽頭共鳴腔の体積が小さくなり、広がりに欠ける〔閉鎖的〕高音になります。《ⅰでも当てはまります!》
ⅲは、④筋収縮がこれ以上できなくなるため、各種の発声運動性能が格段に落ちます。
以上①②③④によって、聴くひとが魅力的と感じるような高音ではなくなる可能性が高いでしょう。
ただし、音楽(楽曲)の表現の一つとして、あえて取り入れているなら、この発声方法は何の問題もありませんが・・・
これは芸術の範囲になりますからね


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追記:喉頭を上げて高音発声する全体の約8割のひとが同時に鎖骨(clavicle)も挙上させていました。これでは肋間筋が伸展を強要され、呼吸効率が落ちてしまいかねません・・・


声の短問短答【続編】の詳解
by aida-voice | 2012-09-03 11:12