声の短問短答76


「一曲歌うだけで疲れてしまう人と、何曲歌っても疲れない人の違いは?」

声のスタミナに関しての質問ですね。
ここでも身体と比較しながら確認していきましょう。
まず、身体でのスタミナを語るときに出てくるキーワードは“心肺機能”と“有酸素運動”。
心肺機能や有酸素運動は、どちらも血流に関係する言葉です。
心臓によって血液を送り、肺によって酸素と二酸化炭素を交換します。
その血液中の酸素を消費して筋収縮エネルギーに変換する。(これを十分に達成させるのが有酸素運動)
血液は、太い血管から細い血管へ分岐し、末端組織まで運ばれます。
さて、ここからが発声に特化した内容。
同じように、発声のための筋肉も心肺機能や有酸素運動を高めれば持久力はついてきます。
やはり血液の流れが重要。
ところが、四肢と比べ、変わった場所があるのです。
それは、甲状軟骨と舌骨の骨間膜に存在する甲状孔。
膜に開いた小さな穴です。
ここから血管が入り込む。
甲状孔を通らなければ、内喉頭の発声関与筋(声帯を含む)に血液を送れない。
この血管こそが有名な上喉頭動脈です。
もうおわかりのように、上喉頭動脈の血流が減少すると、発声と言う名の運動のスタミナが減ります。
では、どのようなときに減ってしまうのか?
甲状軟骨舌骨間が狭くなるときです。
物理的に血管が圧迫され、血流が減る。
もちろん、ギュッとつぶれてしまうほどの圧迫ではありません。
ほんの少しだけ。
しかし、その少しに影響を受けやすいのが、細かく小さな発声関与筋。
病気でない喉頭周辺筋過緊張、LDP、精神的ショックなどが起因となります。
発声に持久力がないと感じるひとは、甲状軟骨舌骨間の距離と上喉頭動脈の血流量&速度の計測をお薦めします。


※声の短問短答の詳細※


追記:甲状軟骨舌骨間の距離を測るにはキャリパ(当サロンでは眼科手術用キャリパを用いて皮膚上から測っています)、上喉頭動脈の血流量&速度には超音波血流計が良いでしょう。
by aida-voice | 2012-08-19 13:55