声の短問短答34


「甲状軟骨より舌骨が大きい人は声が良くなりますか?」

論理的には、甲状軟骨より舌骨が大きい人は極上の声の可能性があります。
それは、舌骨の奥に咽頭共鳴腔があるから。
咽頭共鳴腔は、ヒトの5つある共鳴腔の中で最重要と考えています。
舌骨が大きくなれば、その空間率も大きくなります。
そして、形状変化のコントロール力を養えば声は良くなるでしょう。
ここでの声の良さと言うのは、発声の自由度。
いろいろな発声が可能になります。
その中で、自分の個性や芸術を選んでいけばよい。
「これしかできない」から「あれもこれもできるが、ボクはこの声が好き」とチョイスの自由度を劇的に増やしましょう。
なお、喉頭の大きさでは声に影響しないと言う意見もあります。(主にドクター)
これも、ある意味、正解。
一つは病気の観念ではないこと。
医学では声の質には、あまり関与しません。
日常生活に支障がなければ、声が良かろうが少々悪かろうが、喉が大きかろうが小さかろうが、病気に該当しません。
もちろん、器質的・機能的に疾病があって声が悪いケースは除きます。
もう一つは大きくても動かす能力のないひとは声の変化は皆無であること。
例えるなら、「身長が高いだけでバスケットボールがうまい?」になりますね。
どんなに身長が高くても、運動能力がなければ宝の持ち腐れ。
これと同意。
さらに、舌骨の形状にも関係します。
過去に舌骨の上から見た形状を3種に分類しました。
U字(馬蹄形)、V字、リング状と。
この形によっても、声そのものや発声しやすさにも関係していることがわかっています。
最後に、このようなケースもあります。
それは、舌骨が大きく太すぎて困っているひとがいることです。
これまで、数名の患者さまに会いました。
症状は、「何となく引っかかる」「何となく深く突き刺さっている感覚」「何となく飲み込みにくい」など、何となくがキーワード。
実際に、レントゲンやMRIでチェックしても大きい。
いいえ、大きすぎる。
でも、声は出る、呼吸や嚥下・摂食も問題ない。
痛くもありません。
したがって、どの病院でも病気とは認定されません。
舌骨大角(後端部)が咽頭収縮筋にベッタリ引っ付いているため、これを引き剥がすようなアプローチで改善した症例があります。
しかし、簡単ではない。
本当に困っているひとがいます。
処方薬や外科的処置(お医者さんの役目)により、一日も早く、改善法が見つかることを祈念しております。
ここまでお伝えしたように、舌骨の大きさだけを見ても、さまざまな事象が存在するのです。
まだまだ研究すべき細部がたくさんあります。
声って不思議で、素晴らしい・・・


※声の短問短答の詳細※
by aida-voice | 2012-08-09 11:05