声の短問短答31


「本番直前、むせたくなったときどうしたらいいですか?」

いざというときに咽(むせ)が生じると、本当に困りますよね。
咽が多いひとは、最初に病気(風邪や気管支炎など)でないことを病院で検査しましょう。
病気ではないのに咽(むせ)や空咳が多いひとは次の状況が考えられます。
キーワードは喉頭深奥ポジション。
喉頭が深奥化することにより、迷走神経付近に圧がかかって違和感を生じさせる。
咽(むせ)とは、声帯表面やその下に異物や痰がからみ、それらを体外に排出する行為です。
その際には「ゴホン」とか「ムムムッ」と音を発します。
無意識でしてしまうことも多く、指摘されてやっと気づくひともいます。
さらに、ドキドキ緊張すると、喉頭周辺の筋緊張が増して発声時過収縮癖を助長したり、喉頭が過敏になったりして、異物や痰が存在しなくても出したくなってきます。
出さなければ、逆に気になって良い発声の妨げになってしまうため、ここは目立たないよう軽く出してください。
その方法です。
下顎を軽く引き出してでください。
5~8ミリ程度でOK。
同時に、首周りと喉近辺をリラックスさせ、喉頭や舌骨も前に移動し、喉の中(奥)が広がった感覚を持つよう。
その状態をキープしたまま、異物や痰をがんばって喉の上方(口)に排出しようと考えるのでなく、喉の下方(胸骨上端部あたり)から静かに溶けて出していくようなイメージで柔らかく軽くむせや空咳をしてください。
呼気を止めずに、ゆっくり流す感じ。
そう、コントロールされた息を十二分に利用することが最も大切なコツ。
こうすると、小さなアクションとなり、他者に気づかれず終息させることが可能です。
やはり、うまく行くまで、何度もトレーニングしてください。
そうすれば、本番前でも自信を持って対処できるようになり、無駄な緊張も減ることでしょう。

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※声の短問短答の詳細※ 




~メッセージ~ 
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by aida-voice | 2012-08-08 14:35