声の短問短答17


「フレディ・マーキュリーが髭を生やす前と後だと(1970年代と80年代)声質が変わったような気がするのですが、そのような男性ホルモンの増減で声は変わりますか?」

髭の有無と男性ホルモンの関係は詳しくしりませんが、ヒトの性ホルモン分泌(アンドロゲン、テストステロン、エストロゲンなど)で声に影響することはわかっています。
一般的に、男性ホルモンが多くなると筋肉が増強されると言われています。
ここで思い出してください。
声帯は、主に筋肉と粘膜で構成されていることを。
もちろん、層構造はもっと複雑で、その他にも筋膜や声帯靭帯も存在します。
話を簡易に戻し、男性ホルモンが筋肉を増強するわけですから、声帯筋も太く強くなるはず。
したがって、質問の答えはYESでしょうか。
論理的には。
また、声帯筋は細く小さい。
解剖実験で、毎度、あまりの小ささにびっくりします。
皆さんが耳鼻咽喉科で見ている喉頭ファイバーの画像は、超拡大されていますからね。
あんなモニターいっぱいのビッグサイズではありませんよ。
それに、見ているのは声帯の真上だけ。
横の厚みや太さは見分けにくいのです。
したがって、ホルモン作用によって声帯筋が太くなったと確認するのは至難の業でしょうか。
次に、女性ホルモンの場合は、現実的に顕著な症例として表れてきます。
それは閉経後の声の変化。
閉経前に比べ、閉経後は声が低く太くなるケースが多くなります。
言葉が良くありませんが、おばさんのガラガラ声。
これは、女性ホルモンと男性ホルモンのバランスが変わって声帯筋の質量が増えたことが一因となります。
なお、以前、婦人科の医師から「閉経前でも閉経後でも、女性は男性ホルモンを分泌しており、閉経後に男性ホルモンが極端に増えるものではない」と聞きました。
それと、「ホルモン変動は個人差が大きい」とのこと。
私見ですが、閉経による声の低音化は、“性ホルモン”より“浮腫み(むくみ)”による比率が若干大きいと考えています。
これは、上喉頭動脈と上喉頭静脈の循環血液量により判断できます。
浮腫みによって、声帯全体の質量が増し、天地方向への張りが大きくなって声門が開きやすくなります。
その結果、低音、声割れ、嗄声、二重音、雑音、息漏れ、発声疲労などが出現します。
おっと、質問からどんどん離れていきますので、このくらいにしましょう。



※声の短問短答の詳細※
by aida-voice | 2012-08-05 11:20