声の短問短答12


「高い声が金属音的にしか出なくて困っています。直す方法はありませんか?」

主にポイントは二つあると考えます。
一つは声帯筋を固めすぎていること。
例えるなら、木琴と鉄琴のようなもの。
声帯は、おおまかに声帯粘膜と声帯筋から成ります。
粘膜は自己柔硬できません。
筋線維のような収縮機能を持たないため、他動的伸縮と保水重量によって柔硬や形状が決定されます。
逆に声帯筋は、意識下では難しいのですが、筋肉を固めたり緩めたり、伸ばされたり(他動性)縮めたり(自動性)できます。
二つめは、共鳴腔を構成している軟部組織を固めていることと、狭く(細く)していること。
やはり楽器に例えるなら、前者が木管楽器と金管楽器。
後者がアルトリコーダーとソプラノリコーダーのような関係でしょうか。
声帯で作られた原音(この段階の音声は音楽的には優れていません)は共鳴腔で加工されます。
その際の、形状や壁面状態によって音質が決定されます。
したがって、声帯筋と共鳴腔(とくに咽頭共鳴腔)を緩め、正しくコントロールできるよう練習を繰り返し、身体に染み込ませれば金属音的高音は回避されるでしょう。
ただ、「さあ、声帯筋の力を抜いて!」「さあ、咽頭共鳴腔の表面の軟部組織を緩めて広げなさい!」と指示されても、内喉頭の運動感覚を正確に保有しているひとは少ないため、簡単ではありませんが・・・
このあたりは発声テクニックの範囲となるため、内喉頭の状況を感知できる秀逸なボイストレーナーにお尋ねください。



追記1:筋肉の普遍的な特性なのですが、筋肉は自分の力で縮むことはできますが、自力で伸ばすことが困難なのです。拮抗作用によって他の筋肉に伸展されるまま。


追記2:声帯萎縮、声帯溝症、声帯靭帯硬化症、披裂軟骨奇形、声門閉鎖不全症候群など、病気でも特異な音声になるときがあります。優秀なボイストレーナーの指導を受けても改善しない場合は、音声専門医に診てもらいましょう。



※声の短問短答の詳細※
by aida-voice | 2012-08-04 10:26