胸鎖乳突筋のマッサージで声が出難くなった!?


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あり得る話ですね。
胸鎖乳突筋のマッサージは滑舌に効く記事は、以前に掲載しました。
確かに、適切な方法を用いれば、効果は絶大。
しかし、無茶な力加減や不適切な場所へのマッサージは危険やリスクがいっぱい。
まず、血管神経性反射。
頚動脈洞が傍にあるため、その部位へのマッサージにより介達力が及び、一瞬にして血管は縮んで血流が阻止され、失神してしまいます。
実際、わたしも二度ほど遭遇した経験があります。
そして、知人の柔道整復師(接骨院)の先生からの伝聞ですが、胸鎖乳突筋に対して念入りな揉捏マッサージ(もみほぐす)をすることにより、気分が悪くなるケースがあるそうです。
これは、胸鎖乳突筋が副神経支配のためであるとおっしゃっていました。
残念ながら、わたしには詳しいメカニズムはわかりませんが・・・
さて、過日、「整体で胸鎖乳突筋のマッサージを受けたら声が出難くなった」と主張する歌手が来たことがあります。
一体何が起こったのか?
推測なのですが、胸鎖乳突筋中央前面直下には外喉頭神経があります。
もしかすると、過度および長時間のマッサージによって、この外喉頭神経に何らかの悪影響を与えたのではないかと思われます。
断裂まで至らなくとも、神経部分損傷や圧挫など。
そして、この外喉頭神経は上喉頭神経外枝となり、その先には輪状甲状筋があります。
そう、輪状甲状関節を利用して、声帯ヒダをピンと張ったり、ピッチ(とくに高音)の調整を行ったりします。
したがって、胸鎖乳突筋のマッサージの結果、輪状甲状筋の動きが悪くなり、声が出難くなったのかもしれません。
この方を検査したところ、片側の輪状甲状筋斜部の運動停止が認められました。
ただ、通常の会話声には大きな影響がなかったことと、数回の施術によって輪状甲状筋の運動性が復活し、以前と同じように歌唱できるようになった旨を記しておきます。
皆さんも、胸鎖乳突筋や喉周辺のマッサージやストレッチには、十分ご注意くださいね。





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上喉頭神経外枝(黄色丸部分)

by aida-voice | 2012-06-05 02:47