声帯粘膜の動き方


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声帯粘膜の動き方を知ると、裏声発声やミックスボイスをイメージしやすくなります。
声帯ヒダに関しては詳しくお伝えしてありますので、もう一度、そちらで勉強してください。
重要ポイントがあります。
声帯粘膜は、自由に形状を変えられること。
それも、自身の力では無理であること。(外部力によって変化させられる)
しかし、声帯粘膜の内部の容量は変わらないこと。
つまり、ゴム風船やこんにゃくを変形させても重さや量に変化が無いのと同じですね。
昔、こんにゃくを声帯粘膜に見立てて実験したことがあります。
材料は、板こんにゃくとドライヤー。
そしてビデオカメラ。
こんにゃくを薄く切り取り、声帯のように合わせ、下からドライヤーで空気を当てる。
ドライヤーの風は、トイレットペーパーの芯を工作し、こんにゃくの面に、的確に当たるようセッティング。
その状態を撮影してスローで再生したり静止画にしたりする。
何度も繰り返し実験しました。
他の研究者からのデータにより、声帯運動の結果を知っているため、あくまで検証となるのですが、なかなか思い通りにいきませんでした。
それは・・・、こんにゃくの硬さ、こんにゃくの表面が乾燥すること、風力を一定にできないこと、などが挙げられます。
それでも、何度か行ったうちの一回の数秒だけ、好結果が得られました。
まさに小学生の自由研究なみのレベルですが・・・(苦笑)
そのときの状態と、既知の情報を摺合わせ、声帯粘膜の動き具合を絵にしましたのでご覧ください。
ただし、大ざっぱな簡易図ですから、その点をご理解くださいね。
水平面の片側を示し、赤色は声帯筋で、ピンク色の部分が声帯粘膜です。

1:声帯ヒダが寄って、閉鎖している状態。

2:下からの呼気によってめくれ上がる(弾かれる)。とくに先端部が上を向く。

3:声帯粘膜下部が正中方向に移動してくる。

4:上部は波を打つよう後方に移動し、下部が中央部で膨れる。

5:上部および下部ともに、元に戻る動きを呈する。このとき、声門の呼気の流れによる陰圧も作用し、ベルヌーイの定理が働き、さらに元に戻る力が加速する。

6:最初(1)の声門閉鎖の状態となり、発声時はこれらの動きを繰り返す。


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追記1:本来は、反動による下方向への動きもあるのですが、今回の絵には描いていません。あくまで大雑把な粘膜の動きです。



追記2:声帯粘膜の運動には、筋肉の状態(大きさ・厚さ・硬さ)も大いに関係します。声帯筋がやわらかい場合、声帯粘膜の運動が促進され、複雑な運動が可能になります。この結果、豊かな音色になります。ただし、コントロールできなければ魅力的な声の構築は難しいでしょう。逆に、声帯筋が硬いひとは、声帯粘膜の運動が粘膜のみに限局されるため、「パッサージョが苦手」「裏声がか細い」「ミックスボイスができない」などが挙げられます。最後に・・・、声帯ヒダって小さいのに大きな仕事を担っているんですね。本当にごくろうさまです。

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 會田茂樹|あいだしげき





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by aida-voice | 2016-04-18 04:07