ピアノ・ピアニシモの呼気


歌唱(とくにクラシック)で、小さな声が、大きなホールの最後列の観客まで届く。
伴奏があっても、それを超えて、しっかり聴こえてくる。
これこそ歌の真骨頂。
さらに、ピアノ・ピアニシモが完璧であればあるほど、フォルテ・フォルティシモが活きてきます。
我々は、そんな歌唱に、魅了され、心が震えるほど感動します。
そんな声を得るためのピアノ・ピアニシモはどのように作っていけば良いのでしょう。
詳しいテクニックは、音楽教師やボイストレーナーにお任せするとして、今回は呼吸の様子の一部をお伝えします。
以前、ピアノ・ピアニシモがうまい歌手と、へたな歌手に、歌っているシーンの様々な角度から探りました。
調査時の視点は二つ。
喉頭の動きと呼吸の仕方。
そのことは、2009年10月24日の記事にも、「ピアノ(P)やピアニシモ(PP)は喉頭筋運動と呼気圧で決まる!」と書きました。
なお、過去に使用していた呼気圧という言葉は、若干の正確性を欠いています。
呼気の量と速度をコントロールしている状態のことを指していたのです。
謹んでご報告いたします。
お話を進めましょう。
喉頭の動きと呼吸の仕方の違いを見つけることにより、ピアノ・ピアニシモの極意もわかってきます。
詳細は、次回のOperaフィジカル歌唱講義で伝える予定です。
個別指導等も行うため、多くの方々に参加していただけないのが残念です・・・
さて、ピアノ・ピアニシモのとき、声のボリュームが小さくなるのですが、呼気の量は減るのでしょうか?
実は、このあたりが極意に関係します。
調べた結果、素晴らしいピアノ・ピアニシモを発しているひとは、呼気量が落ちていないのです。
つまり、弱く、あるいは、きわめて弱く歌っても、息はキチンと流している。
これには、呼吸のための胸郭増減の運動性能が大きくかかわってきます。
いま一度、肋椎関節の可動具合、内・外肋間筋と肩甲挙筋の動き、肩甲骨の回転性などを再チェックし、真の呼吸を獲得しましょう。
さらには、舌骨の位置から計測した共鳴腔も活発に使われていました。
やはり、「ピアノ・ピアニシモ=小さな力(パワー)」ではないことがわかりますね。
喉頭の動きと呼吸が最大限に発揮されてこそ、聴くひとを魅了する最高のピアノ・ピアニシモが完成します。


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追記1:やはり呼吸って、ホントに大切。以前、日本音声言語医学会で、S先生は質問者に対し「呼吸が大事なんだ!」と声を荒げながら主張していたことを思い出します。う~む、まさしく至言。







追記2:最高の歌における、オトガイ・喉頭隆起・胸骨の黄金比率が判明してきました。これさえ知って実践すれば、歌唱が簡単にワンランクアップするかも!?
by aida-voice | 2012-05-02 00:22