疲れと声


Past Article Reorganization 

家族や友人としゃべっていて、「ねぇ、疲れていない?」と言われたことはありませんか?
そうです、声は体の疲労に影響するのです。
では、なぜ声でわかってしまうのか?
疲労声の三大特徴から。
1:声が小さくなる(音量も音質も低下)
2:かすれる・こもる
3:リズムが遅れる(滑舌の低下も含む)
発声は運動と酷似しています。
いいえ、運動と言い切ってしまっても良いでしょう。
声帯も、それを動かす喉頭周辺も、筋肉と一部の粘膜や軟部組織で構成されています。
喉の中に機械やパソコンは入っていません。
これらは周知の事実。
喉も、四肢の骨格筋と同様、使いすぎれば疲れます。
実際、疲労とは、ファティーグファクター(FF)と言うタンパク質の蓄積です。
ここからが喉だけの特徴になります。
まず、発声のための明確な筋肉が確定していません。
つまり、どのように動いているのか、正しくは誰にもわからない。
結果、少しの疲労が、喉頭周辺筋の動きを阻害します。
さらに小さく細かい喉頭周辺筋ゆえ、四肢よりも、顕著に表れるのです。
そして、発声力が落ち、声が小さくなります。
呼気の減少や共鳴腔間構築能力の低下(声がこもる)も、声が小さくなるのを助長します。
加えて、疲労による血流不足によっても声帯の運動性能低下と浮腫み(むくみ)を誘発し、ますます声は小さくなります。
次にかすれ声(嗄声:させい)。
これは、以前、実験しました。
まずは、疲労していない、ここでは運動前の頚部横を写真撮影し、下顎最先端と喉頭隆起の位置を確認します。
次に、10メートルのダッシュを連続で10本。
全力で走ります。
インターバルは10秒程度。
走り終わった直後に、再び確認。
すると、運動前より喉頭の位置が奥まっていたのです。
そう、これは一過性のLDP (喉頭の位置が深い)ですね。
LDP によって嗄声が惹起されるのは、喉ニュースにも記載済み。 ⇒ LDP で声帯の後方が開いてしまう… それは「圧嗄声」
したがって、体の疲れに伴ってかすれ声になると考えます。
最後に、発声のリズムが狂ってきます。
これは、歌の中だけでなく、会話声でも感じ取ることができます。
あからさまではなく、何となく。
やはり、出し辛いのが主訴となるのでしょうが、この極小のリズムの乱れからも、疲労を見抜かれるのです。
疲労と声は大いに関係します。
疲れていては、良い声は出ません。
無理せず、正しい発声を心掛けてください。

e0146240_14395810.jpg
 




追記:体だけでなく、精神的にも疲れていれば、これまた運動性能は低下しますよね。心の平安も、声には大切な要因となります。




喉と声のスポーツトレーニング&リラクゼーション
 ボイスケアサロン
 會田茂樹|あいだしげき 

 
by aida-voice | 2016-05-27 00:11