歌い過ぎや風邪などで喉を傷めたあと、声が出しにくい…


長時間の歌唱や激しい咳を伴う風邪は喉を傷めがち。
声の安静に加え、のど飴や耳鼻咽喉科の処置で改善します。
多くは改善して元のように歌ったりしゃべったりできます。
しかし、極一部、「声が出にくい」「以前と違う」「高音がつらい」「ガラガラする」など、本調子に戻らないひとがいます。
いったい、どうして?
ほとんどのひとは、喉を傷めると、喉の中が痛んだと思っています。
そう、それは正解です。
しかし、実は、発声には声帯などを含む内喉頭と、発声のための筋肉が存在する外喉頭にわかれます。
歌い過ぎや風邪などで喉を傷めると、内喉頭だけでなく、外喉頭も傷めているのです。
ここを見落としていますね。
それでは、具体的にどの筋肉を傷めるのか。
これまで診てきた多くの症例から、代表的なものをお伝えします。

長時間の歌唱の場合や咳が長引いた場合
LDP でないひと
●声帯を開閉する後輪状披裂筋と外側輪状披裂筋の筋膜の微細なキズや、それに伴う軽度の炎症(筋筋膜炎)
●輪状甲状筋の代謝障害
LDP のひと
●上記に加え、肩甲舌骨筋・胸骨舌骨筋・甲状舌骨筋の膜の微細なキズや、それに伴う軽度の炎症(筋筋膜炎)

大きな声を出し過ぎた場合
大きな咳をした場合
LDP でないひと
●茎突咽頭筋・茎突舌骨筋の筋および筋膜断裂
●左右筋バランス消失による喉頭捻転
LDP のひと
●上記に加え、咽頭収縮筋の損傷(甲状軟骨板外縁部と頚椎前面部との圧によるものと推察)
●肩甲舌骨筋・胸骨舌骨筋・甲状舌骨筋の筋および筋膜断裂
●ときに茎突舌骨靭帯の断裂や甲状軟骨・輪状軟骨の変形

喉を傷めたときは、内喉頭だけでなく、外喉頭もチェックしましょう。
お大事に・・・





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赤丸部は、右後輪状披裂筋下部に傷と思われる瘢痕






追記
過日、院内で研究中、そっとドアが開いて品の良いご婦人が入ってきました。
そのご婦人(A)と會田(B)との穏やかな会話。

A「パンフレットをいただけますか?」
B「どうぞ、お持ちください」
A「予約はいっぱいなのですよね?」
B「はい、新規は7月からになります。お待たせしてすみません」
A「実は・・・、わたしではなく歌手の〇〇なのです。最近、喉の調子が悪く、苦しんでいるようなので、診てもらえないか尋ねにまいりました」
B「そうですか・・・」
A「わたしは、関係者でなく、一ファンなのです」と、とても心配そうに懇願されました。
B「もし、お越しになれば最善を尽くしますからご安心ください」
A「ありがとうございます。くれぐれもよろしくお願い申し上げます」と、深々と何度も頭を下げていました。

こんなに、親身になってくださるファンがいらっしゃる〇〇さんは、本当にお幸せですね。





~メッセージ~
この記事は投稿時の情報・見解・施術法であり、最新・正確・最良でない可能性があります。内容に関し一切の責務を負いません。その旨ご承知いただきお読みください。會田の理論と技術は毎日進化しています。なお、LDP(喉頭深奥ポジション)は病気ではなく喉筋の癖&独自の造語です。
by aida-voice | 2012-03-20 07:06