声が良いとは… 咽頭共鳴腔を使いこなすこと!


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モノマネ上手な芸人さんや腹話術のいっこく堂さんの喉を観察してください。
どれほど喉が動いているかを。
さらに詳しく見ましょう。
喉の中でも、上の部分、つまり舌骨周辺の動きが大きいのに気づくはず。
そこに声の質を作り出す大事な共鳴腔があります。
皆さんは「声帯」で声を作ることは知っていると思います。
そう、正解です。
しかし、声帯は音を作りますが、音質には大きく関与していません。
声帯の役目は二つ。
声帯ヒダを振動させて音を作る…、つまり原音。
そして、声帯ヒダを伸縮させて高さを変える…、つまりピッチ調節。
この原音とピッチ調節は本当に大切な役割なのですが、「ただ単に声が出る」にしかすぎず、残念ながら皆さんの求める〔良い声〕ではないのです。
想像してください。
声帯ヒダは、よく弦楽器の弦に例えられます。
ここではアコースティックギターにしますね。
木で作られたボディ(胴)から弦をはずし、誰かに弦両端を持ってもらい、弦をつま弾いてみましょう。
どんな音ですか?
大きな音量で鳴っていますか?
それは心揺さぶる良い音ですか?
一流のギタリストが、弦のみを大切にしていますか?
これと同じ。
もう、おわかりですよね。
やはり豊かな音色や響きを生み出すボディ(胴)の空間が非常に重要なのです。
その空間で倍音を形成し、鳥肌ものの音を醸し出します。
人間には、声を良くする5つの空間があります。
声帯から近い順位に、喉頭室・梨状陥凹・咽頭共鳴腔・口腔共鳴腔・鼻腔共鳴腔です。
これらが声道となります。
そして、この中でも、大きさと運動性を発揮して、音色に最も影響を与えるのが〔咽頭共鳴腔〕です。
どのあたりにあるの?
それは、舌骨の奥です。
前述のトップアーティスト(モノマネや腹話術)の話につながりましたね。
コロッケさんも、原口あきまささんも、青木隆治さんも、神奈月さんも、荒牧陽子さんも、そして、いっこく堂さんも、この舌骨周辺の動きが素晴らしい。
さらに、皆さんが聴いてステキな声(歌声)と感じている歌手や声優も、実は、もれなく舌骨の空間利用能力を持っているのです。
あなたは咽頭共鳴腔を正しく使っていますか?


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追記:声道をもう少し詳しく解説
「他の共鳴腔は大切じゃないの?」と質問をいただきます。
決して重要ではないと言っているのではありません。
最も音色に関与する共鳴腔が咽頭共鳴腔なのです。
何よりも、整備やトレーニング次第で、思い通りの形や大きさに変化させることができる場所なのです。
ただし、中空に浮いた舌骨が中咽頭収縮筋の硬筋線維でホールドされていないことが大前提になりますが…。
それでは、他の共鳴腔の特徴を述べておきましょう。
喉頭室=声帯ヒダと仮声帯(前庭)に囲まれた小さな空間。空間の大きさを変化させるのは難しいが、声帯直上ゆえ、P・PP(ピアノ・ピアニシモ)の美しさや到達度を求める際には大切になる部位。
梨状陥凹=声より、嚥下(食べる行為)の際に必要な場所。しかし、ベルカント唱法に必須の喉頭蓋が存在するため、十分に活躍させたい部位。
口腔共鳴腔=根本的な音色よりも、言葉などの構音、および、声が体から離れる最終の調音の部位。よく「軟口蓋を高くあげて」と指導されるかもしれませんが、検証の結果、硬口蓋(骨)の面積の方が大きいため、思ったほど動いていないことも判明している。
鼻腔共鳴腔=声道として最も長くなるため、音として(とくに高音)の美しさに関与。鼻が詰まったときの声を考えれば理解は簡単。なお、私見ですが「アルフレード・クラウスは鼻腔内の形や大きさを自由に変えて、あの素晴らしい高音を出している」とのうわさを聞いたことがありますが、鼻腔は、篩骨・蝶形骨・鼻中隔・上顎骨などのハードボードに囲まれており、その付随する軟部組織も可動性を有しないため、この意見の蓋然性は乏しいと思います。


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喉頭室 梨状陥凹 咽頭共鳴腔 口腔共鳴腔 鼻腔共鳴腔








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by aida-voice | 2016-04-08 00:18