質問と回答 『甲状軟骨の角度と高音の音色の関係』


《質問》

甲状軟骨の角度の違い(広角・鋭角)による高音の違いについて

會田先生こんばんは。毎々お世話になっております。
ボイスケアサロンで施術を受けて以来、日々喉ニュースを見て勉強しておりますが、最近音楽番組やプロの歌手のライブDVDを見ていてふと気付いたことがありました。
それは、甲状軟骨が広角と思われる歌手と鋭角と思われる歌手の高音が違って聞こえることです。
表現がしづらいですが、広角=まろやかな高音 鋭角=金属音に近いような高音 に聞こえます。
また、鋭角傾向の私自身は鋭い高音の方が出し易いように思います。
広角か鋭角かによってこういった違いはあるのでしょうか?
ご回答宜しくお願い致します。

(「思われる」と書かせて頂いた理由は、広角・鋭角の判断を歌手の喉頭隆起がはっきり前面に出ているか・出ていないかという基準で、私の判断で行ったためです。)




《回答》

優秀なボイスアドバイザーの大川原貴先生からの質問です。
まず、素晴らしい観点からの考察であると褒め称えたいと存じます。
大川原先生のおっしゃる通りですね。
甲状軟骨翼の幅、すなわち、喉頭隆起から後端までの距離が同じ場合・・・
甲状軟骨翼の角度が大きい(広角または鈍角)ひとは、声帯長は短くなるため、高音発声が得意なはず。
逆に、角度が小さい(鋭角)ひとは、声帯長は長くなり、高音発声は苦手になります。
しかし、声帯での音程獲得には、声帯の長さ・厚み・硬さの三要素が絡み合って構成されることは周知の事実。
したがって、広角のひとは、もともと声帯が高音向きなので、まろやかな高音や繊細かつ清らかな高音が可能になります。
鋭角で低音向きの場合、声帯の長さを短くすることはできないため、高音発声時には声帯を薄くかつ硬くします。
これによって金属音的な音となりますね。
同じピッチを聴き比べると、音色の歴然とした違いがあるのです。
ただし、声帯で作られた音色にかかわるのはこのくらいで、アーチストが求める美しさや音楽性(芸術的)には関与しません。
それらは、共鳴腔が重要なファクターを担います。
それにしても、良い質問でした。
大川原貴先生の、ますますのご活躍をお祈り申し上げます。
そう、声って、本当に面白いですね。

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by aida-voice | 2011-12-04 00:11