検証 弓場徹先生の 〔YUBAメソッド〕


発声法、中でも高音発声獲得技法に関して最も質問を受けるのが、「弓場先生のメソッドは効きますか?」、「高田先生の理論は正しいですか?」です。
今日は、弓場徹先生のメソッドを考えてみましょう。


YUBAメソッドについて


ご存じ、広く知れ渡っているYUBAメソッド。
弓場徹先生の提唱する発声法ですね。
実は、わたしが声楽を学ぶきっかけとなったのが、弓場徹先生のCD『歌う筋肉』なのです。
目から鱗のような斬新な内容に狂喜しました。
何度も何度も聞き込みました。
自宅に1枚、車に1枚、防音スタジオに1枚と購入しました。
すべてを暗記するほどです。
また、知人の多数の歌手にも勧めもしました。
弓場徹先生のおかげで、輪状甲状筋の大切さを知ったのです。
そういえば、5年以上前、当サロン(当時のボイスメンテナンス研究所)の発声チェックに『歌う筋肉』を使っていたことを思い出します。〔現在はAkira先生と共作したオリジナルの喉頭能力チェック用CDを使用〕
弓場徹先生には、あらゆる点で、誠に感謝しております。
ありがとうございます。
さて、同様に、皆さんも“輪状甲状筋”という名前を知ったのは、YUBAメソッドからではないでしょうか。
それほど有名な方式。
歌うときに働く筋肉群を三つにわけています。
呼吸筋・内喉頭筋・調(構)音筋。
的確な分類ですよね。
そして、特色は、ウラ声とオモテ声を順に発声するスタイルのトレーニング。
これによって、輪状甲状筋を鍛えるもの。
実際、弓場徹先生の著作物やCDには『歌う筋肉』と明示されています。
まず、このメソッドですが・・・
わたしは大正解だと考えています。
つまり、前出の、「弓場先生のメソッドは効きますか?」の問いに、わたしは迷わず、「はい、正しいと思います!」と即答するでしょう。
輪状甲状筋を鍛えることで、高音・低音・ミックスボイスなどが可能になると考えます。
ただ…
いろいろ精査したり解剖実験したりした結果、輪状甲状筋が動きやすい環境を持っているひとのみ大きな効果が期待されることがわかってきました。
耳にした評価として、「YUBAメソッドはサイコーです。思い通りの声が出るようになりました」から「よくわからない」までさまざま。
そうです、輪状甲状筋が動きやすい、または、もともと動いているひとにとっては素晴らしいメソッドとなります。
しかし、輪状甲状筋が動きにくい環境にあるひとにとっては、どんなに練習しても、十分な効果を得られないケースが出てくるかもしれません。
どんなひとに効果が少ないの?
輪状甲状関節の亜脱臼(片側および両側)、輪状甲状筋不全麻痺(上喉頭神経外枝の圧挫など)、甲状軟骨下角左右差〔形状や長さ〕の存在、甲状軟骨および輪状軟骨の深奥化現象による輪状甲状関節可動不全、輪状甲状関節〔垂部と斜部〕の運動バランスの崩壊、輪状甲状筋の大幅な筋力左右差、甲状軟骨と輪状軟骨の形状関係など、要因を述べれば枚挙にいとまがありません。《その他にもたくさんありますよ》
上記の方々は、日常生活に問題なく、本格的な歌唱でない程度の高音なら気にならないのです。(痛みどころか、違和感さえもない)
したがって、病的な状態ではありません。
ご心配なく。
『体が硬い』、『右ももと左ももの太さがちょっとだけ違う』、『肩の位置のバランスが良くない』などの程度と一緒。
誰にでもある人間の個体差や破格の許容範囲内ですね。
何の問題もありません。
しかし、上記のような状態であると、しっかり練習をしてもなかなか向上しないことが多いのです。
そう、輪状甲状筋の活躍できる環境が整っていなかっただけなのです。
ほんの少し整備ならびに調整ができていれば、良い状態になるケースがほとんど。
弓場徹先生は発声科学の先駆者です。
論理的で正しいメソッドを考案されました。
これまで2~3度、お手紙のやり取りをしたことがありますが、直接お会いしたことはありません。
また、数年前、わたしが京都の一色クリニックで外喉頭外来を担当していたとき、一色信彦先生〔京都大学名誉教授〕も弓場徹先生の功績を認めていらっしゃったのを覚えています。
YUBAメソッドは、声を良くしたい・歌がうまくなりたい方々の強い味方です。
わたしはボイストレーナーではありませんので、メソッドやテクニックは教えていません。
そういえば、最近、ウラ声を出して、そこからより高いウラ声で発声する新法があると聞きました。
輪状甲状筋の働きをさらに強化するためだそうです。
スゴイ・・・!
ますます進化していますね。
さすがでございます。
今後とも弓場徹先生のご活躍をお祈り申し上げます。






参考文献
『奇跡のボイストレーニングBOOK』(主婦の友社)
『歌う筋肉』(ビクターエンタテインメント)

なお、ご購入されるなら最新作となる・・・
声の科学 YUBAメソッド 初級ボイストレーニング編 あっという間に歌上手
声の科学 YUBAメソッド 中級ボイストレーニング編 驚異のカラオケ上達法
がおすすめでしょう。







追記1:この弓場徹先生の記事には重要な続きがあります。期間(時間)限定のアップもありますので、お見逃しなく!

YUBAメソッドが『効くか』、『効かないか』を判断する簡易チェック法、および、YUBAメソッドを、より活かす方法もありますので、それらを含め、追記でお伝えしたいと思います。





追記2:弓場先生のメソッドは正しく理にかなっています。間違いなく極上のメソッドです。もし、練習を重ねても上達しない場合は、ご自身の輪状甲状関筋や輪状甲状関節の動きをチェックしてみましょう。YUBAメソッドの良悪ではなく、あなたの喉状態が、YUBAメソッドの開始に適していない可能性もあるのですよ。まず、母指および示指の指腹を輪状甲状筋の筋上にそっと置きます。筋高度計で5Toneの圧を加えます。1/3~1/2オクターブのピッチ変化の発声を繰り返し行い、その際の輪状甲状筋の筋圧と筋長の違いを指でとらえます。加えて、可動範囲も特定してください。これで、輪状甲状筋の動きを知ることができます。繰り返し繰り返し、血の滲むような訓練を積めば、探知は可能です。是非、トライしてください!

知っていますか?
指って、超スゴイですよ。
地球上の動物の中で、指先が最も器用なのが人間なのは周知の事実。
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さらに、人間の知覚器官のなかでも、形状や圧を的確に捉えることができる部位が指先。
理由は?
指運動の巧緻さはもちろん、特異的皮膚環境と指紋があるから・・・
もっともっと、活かさなければ!!!





追記3:【輪状甲状関節が正しく動いているかどうかのチェック法】
二つの方法があります。
一つ目は、地声と裏声を切り替えた際の喉頭をビデオで撮って検証すること。
とくに、動く瞬間を静止画にして精密検査しましょう。
二つ目は、左右の甲状軟骨下角に、左右それぞれの示指を軽く置き、地声から裏声へ、裏声から地声へと発声したときの動き具合を触診します。
動きの緩慢さ、左右差、不自然な隆起、運動時雑音などを認めた場合、輪状甲状関節が正しく動いていない可能性があります。
さあ、チェック!





追記4:【YUBAメソッドがなぜ効果的なの?》

それは、『発声』が『運動』と酷似しているからです。
例えてみましょう。
高音発声をジャンプとします。
そう、ジャンプするには、膝を曲げ、そして、ギューンと伸ばし、高く飛び上がる。
高音発声、とくにアーティスティックな高音は、輪状甲状関節の動きが必須。
その関節を動かすのが、輪状甲状筋です。
他に、声帯を硬くしたり厚みを増したりして高音発声は可能ですが、やはり芸術的ではありません。
その輪状甲状筋の重要性を唱えたのが、弓場徹先生。
輪状甲状筋の大きさを知っていますか?
あなたの小指の爪と同じくらい・・・
小っちゃい。
左右2枚ずつ、計4枚。
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これで高音を担っています。
だから、YUBAメソッドは、とんでもなく素晴らしい技法なのです。

以前もお伝えしましたが、声帯は『音源』と『音程』を担当しています。
この二つです。
声の良さや響きには関与しません。
「声が良い」と評価されるには、声道にある5つの共鳴腔の活躍に由来しています。
この変動性と運動性が大事になります。
それでも、やはり音程は声帯の伸縮であるため、輪状甲状筋が最大ポイント。
あなたも、是非、輪状甲状筋をしっかり使って、思い通りの高音を Get してください。

いずれ、「声を出さずに声を良くする方法」を公開します。
これまでの集大成です。
きっと、あなたの発声の概念が変わりますよ。
発声医科学は進歩しています。
10年前はスマートフォンなんてありませんでしたよね。
いまでは日常の必需品。
それと同じ。
どのような形態で発表するかは決まっていませんが(喉ニュースか、書籍出版か、講演会発表か、サロン内の限定か・・・)、楽しみにお待ちくださいませ。





追記5: 【YUBAメソッドを最大に活かすための姿勢がある!】

◎掲載は終了しました。 〔時間限定のUP〕





追記6:【 コラム 〔輪状甲状筋は、遅筋が多いか? 速筋が多いか?〕 】

◎掲載は終了しました。 〔時間限定のUP〕


※せっかく図画を使って説明したので、その絵だけは残しておきましょうか・・・
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追記7:【 速報〔YUBAメソッドの新しいトレーニングに関する考察〕 】
新しい方法は、ウラ声からさらに高音化する手法と聞きました。
これはいったい何を意味するのでしょう。
輪状甲状筋は、垂部と斜部から成ります。
なぜ二種類あるのか?
それは、輪状甲状関節が二つの動きをするから。
一つはヒンジ運動。
蝶番(ちょうつがい)を思い出してください。
下のような建具を参考に。
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もう一つはスライド運動。
甲状軟骨下角は輪状軟骨関節窩を滑りながら動きます。
以下に、ヒンジ運動とスライド運動の模式図を載せました。
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さらに詳しい情報は、喉ニュース目次集の輪状甲状筋と輪状甲状関節を丁寧に読んでください。
さて、話をウラ声からさらに高音化する手法に戻しましょう。
これは、ある程度の高音を出している状態から、もっと高音にするわけですね。
その際の筋肉運動を検査してみました。
すると、垂部が大きく関与していることがわかったのです。
つまり、輪状甲状筋の『垂部』の筋力トレになると考えます。
かなり重大な事実ですよ。
垂部が十分に活躍すると、急峻な高音が得意となります。
どんな場面でも、安定した高音発声が可能になりますね。
この先、輪状軟骨上における下角の軌跡を精査すると、より正しい解を導くことができるでしょう。





追記8:【YUBAメソッドを、より効果的にする法則を伝授!!!】

◎掲載は終了しました。 〔時間限定のUP〕





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emoticon-0137-clapping.gif 掲載終了の記事は大切に保管してあります。さらに新しく判明した内容を加筆してアップするかもしれませんので、ときどきチェックすることをおすすめします!





~メッセージ~
この記事は投稿時の情報・見解・施術法であり、最新・正確・最良でない可能性があります。内容に関し一切の責務を負いません。その旨ご承知いただきお読みください。會田の理論と技術は毎日進化しています。
by aida-voice | 2011-11-06 11:09