甲状舌骨膜の真実


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上喉頭動脈が入り込む甲状舌骨膜。(黄色楕円部)
いわゆる甲状軟骨と舌骨の間の骨間膜ですね。
骨間膜は、前腕の橈骨と尺骨、下腿の脛骨と腓骨にも存在しています。
膜は、結合組織で成り立っているのです。
解剖研究(米国メイヨークリニック)する前までは、『薄い』イメージを持っていましたが、実際は思ったより厚く丈夫でした。
膜と言うより、肉と言った感じ。
この膜を貫通して、上喉頭動脈・上喉頭静脈・外喉頭神経内枝が入っています。
ここで、動脈だけでなく、静脈や神経も通っていることに注目しましょう。
もし、喉頭深奥や周辺筋硬化によって、甲状孔がギュッと狭くなった場合・・・(上絵から下絵の状態へ)
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まずは、上喉頭静脈。
ご存じのように静脈は血圧が低いため、血管内部に弁があります。
この弁によって血液を前に送ったり逆流を防いだりしています。
しかし、甲状孔で血管が圧迫を受けると、静脈血が甲状軟骨外部に出にくくなってしまいますよね。
これによって、軟部組織に浮腫が生じます。
簡単に言うと「むくみ」です。
さて、筋肉や粘膜がむくむとどうなるか?
まず、声帯がむくむと、声帯筋や声帯粘膜の質量が増えますから、振動効率が落ちます。
つまり、ダバダバ・ガラガラ低音化します。
決して魅力ある低い音ではありません。
また、喉頭室や梨状陥凹がむくむと、それらの空間率が減少し、音に響きがなくなってしまいます。
したがって美声やステキな歌声からは程遠くなってしまいます。
次に、外喉頭神経内枝のケース。
神経は、運動の命令や知覚の伝達に関与します。
甲状孔での圧迫によって、命令伝達がうまくいかず、発声のための運動性能の低下や声帯のしびれが懸念されます。
どちらにしても発声には良くありませんよね。
「どんなに練習しても発声が良くならない」、「歌っても歌っても、ちっともうまくならない」
「耳鼻咽喉科で治療しているのに、音声障害が治りくい」などのときもしかすると甲状舌骨膜の甲状孔が狭いのかも…



追記1:甲状孔を開くには、①喉頭周辺筋の柔軟性を獲得する、②LDP(喉頭深奥ポジション)を改善する、③チョキ開大運動の実施、などが挙げられます。



追記2:声にとっては重要な血管や神経なのに、なぜ膜の小さな穴を貫き入っていく経路を作り上げたのでしょうね。甲状軟骨の後ろ、または、舌骨上部から侵入すれば、もっと楽々でベストなはず。下喉頭動脈は甲状軟骨の裏側から入っているのに…。そう思いませんか!?









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by aida-voice | 2016-03-23 03:55