賛否両論 Part16 ハミング


巷で、声に関わる情報を集めてみました。
すると、Aさんの意見とBさんの意見では正反対。
これらを科学的かつ独断的に解説してみたいと思います。
22回に分けて掲載する予定。
さあ、どっちが正しいの?


Part1 うがい
Part2 加湿器
Part3 吸入器
Part4 スポーツ
Part5 飲酒
Part6 セックス
Part7 自転車
Part8 ダンス
Part9 ガム
Part10 たばこ
Part11 飛行機
Part12 船
Part13 タートルネックの服
Part14 ネクタイ
Part15 あくび
Part16 ハミング
Part17 ささやき声
Part18 昼寝
Part19 枕
Part20 ジェットコースター
Part21 カラオケボックス
Part22 ×××


このハミングも賛否両論の対象。

Part16はハミング。

とんでもない事実が発覚しましたよ。

じっくりお読みください。

それでは始めましょう。

ハミングは、口を閉じて鼻腔から呼気を流して歌う『鼻歌』ですよね。

あなたは、次のように聞いたことがありませんか?

「ハミングは声帯を動かさないので、喉に負担をかけない」と。

実際、わたしもこのように説いていた音楽教師やボイストレーナーを知っています。

また、「ハミングは喉に力が入るのでやめなさい」と説教されたひともいるはず。

さて、真実はいかに・・・

検証しました。

まず、ハミングの本態から。

鼻歌で言葉の明瞭さはないものの、声帯の振動は確認できます。

つまり、声帯は振動しています。

もし、声帯振動ではない音源によるものなら、どの部位で作られるのでしょう?

仮声帯発声ではありません。

また、その上位の共鳴腔でもありません。

もちろん各共鳴腔の共振による音造りは可能ですが、かなり難しいと思います。

もし、それが主音源であるなら、ハミング自体が誰でも
簡単にできることような代物ではありませんね。

きっと、世の中の全員が、いっこく堂さんレベルの
超エリートボイスユーザーになってしまいます(笑)

さらに、ハミングしている状態で甲状軟骨を優しく触診すれば
声帯振動を指に感じることができます。

これらのことから、「ハミングは声帯を動かさないので、喉に負担をかけない」の
声帯を動かさないは誤っている可能性が高いと言わざるを得ません。

次に、「喉に負担をかけない」のか、逆に「喉に力が入る」つまり負担がかかるのか?

これも実験。

ハミングをM音で歌っているときと、口を開けてMU音で
歌っているときの、喉頭の硬さを計測してみました。
(開口状態では、子音Mだけの発声は困難ゆえMU音としました)

条件は、同一人物の同一歌曲を同一筋〔今回は甲状軟骨翼周辺筋と
舌骨上筋群の2箇所〕で測ること。

複数名で試しました。

すると、驚くべき事実が二つありました。

一つ目は、中低音はそれほど変わらなかったのですが、高音では
ハミングのときは硬さを増した
のです。

とくに舌骨上筋群が!

そして、もう一つ。

そのひとの得意とするピッチレベルでは、ハミングより
開口歌唱の方が硬くなる傾向だった
のです。

すなわち、ある部分では、ふつうの歌唱よりも
ハミングが楽々な発声となるのです。

今回、この二つは重大な新発見でした。

もう少し詳しいデータがありますが、個体差や被験者数を再考しなければ
正確な発表には至らないと考え、今後の宿題にさせていただきます。

それにしても、ハミングで「喉に負担をかけない」と「喉に力が入る」は
どちらも正解だったのでした。

ハミングを歌唱練習に取り入れるかどうかは、あなた次第。

やはり、賛否両論。


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追記:開口発声とハミング時の筋動作の違いは、各実験から把握できました。その結果、高音時にハミングがやり辛くなる理屈も解明。これらは、いつの日か発表できればと願っています。(時間や金銭を浪費して得た検証結果やまとめを、簡単に教えすぎるとの忠告をいただいているため・・・)
正解へのヒントは、上咽頭収縮筋の様子と『ハミングでベルカントは可能か?』にあります。腰を据えてお考えください。この理論は難しいですよぉぉぉ。





~メッセージ~
この記事は投稿時の情報・見解・施術法であり、最新・正確・最良でない可能性があります。内容に関し一切の責務を負いません。その旨ご承知いただきお読みください。會田の理論と技術は毎日進化しています。
by aida-voice | 2011-05-15 03:14