賛否両論 Part15 あくび


巷で、声に関わる情報を集めてみました。
すると、Aさんの意見とBさんの意見では正反対。
これらを科学的かつ独断的に解説してみたいと思います。
22回に分けて掲載する予定。
さあ、どっちが正しいの?


Part1 うがい
Part2 加湿器
Part3 吸入器
Part4 スポーツ
Part5 飲酒
Part6 セックス
Part7 自転車
Part8 ダンス
Part9 ガム
Part10 たばこ
Part11 飛行機
Part12 船
Part13 タートルネックの服
Part14 ネクタイ
Part15 あくび
Part16 ハミング
Part17 ささやき声
Part18 昼寝
Part19 枕
Part20 ジェットコースター
Part21 カラオケボックス
Part22 ×××


とうとう来ましたね“あくび”。

漢字で「欠伸」って書きます。

これまでのところ、あくびの詳しい本態はわかっていません。

眠いときや退屈なときに起こりますよね。

あくび行為そのものは、何ら悪いものではありませんが
発声に関与させるとどうでしょう?

そこで、まず、これまで聞いたさまざまな意見を載せてみたいと思います。

まず、あくびの肯定的な言葉から。
●歌がうまくなるには、あくびをするような喉で歌いなさい(発声しなさい)
●緊張したときは、あくびをするとリラックスできる
●あくび喉は、良い声の絶対条件ですよ
●高音を出すには喉を下げるような、あくびを思い出しなさい

次に、否定的な見解。
●あくびをしながら高音を出すと、過緊張が促進され輪状甲状関節の動きが悪くなる
●あくび発声は、舌が下がり過ぎて固定化されるため良くない

実際、いろいろ研究しましたが、わたしにもわからないことばかり。

ただし、次の検証結果と症例を確認していますから、参考にしてください。

あくび行為は、甲状軟骨を垂直に降ろすため、咽頭共鳴腔を
細く狭くして、響きや艶感を損なうことは間違いありません。

試しに、あくびをしながらしゃべってみてください。

声の音色がこもっているのに気づくでしょう。

だから、あくび状態によって高音が多少出しやすくなったとしても
音色に関してはマイナスに働きます。

また、懸垂機構の筋群が最大伸展してしまうため
歌唱のコントロール性能を失ってしまいますね。

次に、実際に出会った症例です。

あくび発声を強要し、舌が硬直して正常な会話ができなくなった方や
喉頭周辺筋が断裂して負傷したケースなど、何例も知っています。

確かに、リラックス効果はありますが、無理強いすると
ケガや筋バランスを崩し、発声に悪影響がありますので、十分にご注意ください。

もし、あなたの指導者があくび発声を強く強く勧めるのでしたら
①あくびのメカニズム(歌唱との関係性)
②あくび発声の長所と短所
③やり過ぎると危険である認識
の三項目をキチンと説明していただいてから、あなた自身の判断で行ってください。

普通に行うあくびは問題ありませんが、発声しながらの無茶なあくびによって
喉や声にトラブルを生じ、本当に困っているひとを数々知っています・・・

まあ、これも自己責任の範囲で「賛否両論」ですかね。


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追記:「あくびによって口腔共鳴腔の体積は増えるから音色は良くなるのでは?」との問いがありました。実は、口腔共鳴腔は音色よりも構音、つまり言葉を作ることに大きく関与しているため、残念ながら良い声にはなりにくいと考えます。また、あくびの強要によって、口腔周辺筋および舌筋がガチガチに固まってしまい、運動の観点から考察しても難しいでしょう。




~メッセージ~
この記事は投稿時の情報・見解・施術法であり、最新・正確・最良でない可能性があります。内容に関し一切の責務を負いません。その旨ご承知いただきお読みください。會田の理論と技術は毎日進化しています。
by aida-voice | 2011-05-11 03:17