賛否両論 Part6 セックス


巷で、声に関わる情報を集めてみました。
すると、Aさんの意見とBさんの意見では正反対。
これらを科学的かつ独断的に解説してみたいと思います。
22回に分けて掲載する予定。
さあ、どっちが正しいの?


Part1 うがい
Part2 加湿器
Part3 吸入器
Part4 スポーツ
Part5 飲酒
Part6 セックス
Part7 自転車
Part8 ダンス
Part9 ガム
Part10 たばこ
Part11 飛行機
Part12 船
Part13 タートルネックの服
Part14 ネクタイ
Part15 あくび
Part16 ハミング
Part17 ささやき声
Part18 昼寝
Part19 枕
Part20 ジェットコースター
Part21 カラオケボックス
Part22 ×××


さあ、お待ちかね(?)Part6の“セックス”です。


真面目に論じます。(いつも真面目なつもりですが・・・苦笑)

人間の営みには大きく二つあり、生きる活動と、子孫を残す活動があります。

最初の生きる活動とは、呼吸をし、食べて、寝て、つまり生きること。

その生きることに、個人〔個体〕では命に限りがあります。

寿命。

そこで、自分の遺伝子を残したい。

これが二つ目の子孫を残す活動ですね。

人間は、単為生殖できないため、女性と男性による生殖行動をします。

これがセックスです。

さて、ここでは、子作り〔繁殖〕を目指した性行為ではなく
セックス行為そのものに焦点を当てて、声との関係を真剣に考えてみます。

声との観点からセックスを語るとき、視点が二つあります。

一つ目は、運動の視点。

もう一つは、性ホルモンの視点です。

まずは、運動の視点から。

情報が錯綜して真偽はわかりませんが、セックスによる
消費カロリーは大まかに約300キロカロリー/時と
聞きました。(激しい行為では15分で200キロカロリー以上との伝聞もあり)

もちろん、男女の違い・時間・内容によっても数値は変化しますよね。

これって、ケーキ1個分です。

運動換算なら、ウォーキングなら1時間、ジョギングなら30分でしょうか。

この運動程度の後に声を出す、とくに歌唱を行っても
それほど問題はないと思います。

したがって、運動の視点からは、ノーマルなセックスならば
声に影響ないと断言できます。

二つ目の、性ホルモンの視点。

詳しくは専門家の意見に任せますが、セックスによって
男性ホルモン《テストステロン》や
女性ホルモン《エストロゲンとプロゲステロン》の
分泌が活発になりやすいそうです。

さあ、ここで声との関連を考察してみましょう。

男性のテストステロンは筋肉を作る作用があります。

声帯は筋肉と粘膜でできていますから、声帯に
筋肉がついて声に好影響する?

この正誤はわかりません。

もし、声帯の筋肉が増大すれば、動きが良くなると言うより
重みが増して、コントロール不能な低音化や
声帯の振動効率の悪化が懸念されます。

やはり、声の良し悪しは、筋肉の大きさではなく
あくまで筋肉の運動性能で決まるのです。

ご存じのように、声帯筋は若干の収縮活動に関与はするものの
声門の開閉は後輪状披裂筋・外側輪状披裂筋・横披裂筋・
斜披裂筋・甲状披裂筋が、声帯の伸長は輪状甲状筋が行っています。

よって、声帯筋でなく、これらの筋肉の動きが向上すれば
発声には良い影響かもしれませんが・・・

次に、女性のエストロゲンとプロゲステロン。

エストロゲンは、卵巣から分泌される女性ホルモンです。

成熟した卵胞から分泌されます。

月経を管理して、女性らしい体〔バストやヒップ〕を形成します。

プロゲステロンは妊娠に関係するホルモンです。

閉経後の更年期障害などは、エストロゲン濃度の低下が指摘されていますよね。

さて、声との関連に重要なのはエストロゲン。

この、分泌低下は『むくみ』を誘発することがわかっています。

女性が生理中にむくみやすいとおっしゃるのは、このためです。

むくみは声帯にも適応されます。

声帯がむくむとどうなるのか?

①声帯筋の細胞間液が貯留して重くなる
この結果・・・低音化!

②声帯筋の細胞間液が貯留して声帯全体が張ってしまい声門が開く
この結果・・・かすれ声!

ひと月に一回程度のむくみなら、事前の準備と
スケジュールコントロールで乗りきれるでしょう。

しかし、閉経後はむくみが恒常的に続きやすいため
一部のおばさまの特徴である「ガラガラ声」や
「おっさん声(低音化を指していると思われます)」になってしまいます。

したがって、男性の場合、性ホルモンはあまり関与しませんが
女性の場合は性ホルモンによって大いに声に関与することがわかります。

ただし、セックスによって、女性の性ホルモンバランスが
整うかどうかは定かではありません。

最後に、昔の有名な男性オペラ歌手のことですが
「コンサートの数時前に濃密なセックスすると声が良くなる」との
うわさがありましたが真相はいかに!?

逆に、禁欲をすればするほど「精神が研ぎ澄まされ
声に艶が出て、芸術性が増す」との意見もありました。

個人の感じ方や考え方、相手への好意の度合いなど
さまざまな要因が絡み合って変化が大きいでしょうね。

まあ、どちらにしても、ほどほどに・・・

やはり賛否両論。



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追記:この題からは外れますが、以前、20歳代後半の女性の失声症を診ていたことがあります。耳鼻科でも心療内科でも問題なく、また、接していても精神的トラブルは抱えていないと感じられました。最初は、失声症特有の喉頭周辺筋過緊張(無声時)が見受けられ、その改善を目指しました。その後、柔軟性を獲得し、ささやき声は可能になりましたが、実声がなかなか出ません。
これは特殊例ですが、内喉頭、外喉頭、メンタルに異常が無いにもかかわらず声が出ない場合は、婦人科でホルモンバランスを調べると原因の解明につながるかもしれませんよ。ご報告まで。





~メッセージ~
この記事は投稿時の情報・見解・施術法であり、最新・正確・最良でない可能性があります。内容に関し一切の責務を負いません。その旨ご承知いただきお読みください。會田の理論と技術は毎日進化しています。
by aida-voice | 2011-04-24 16:26