賛否両論 Part4 スポーツ


巷で、声に関わる情報を集めてみました。
すると、Aさんの意見とBさんの意見では正反対。
これらを科学的かつ独断的に解説してみたいと思います。
22回に分けて掲載する予定。
さあ、どっちが正しいの?


Part1 うがい
Part2 加湿器
Part3 吸入器
Part4 スポーツ
Part5 飲酒
Part6 セックス
Part7 自転車
Part8 ダンス
Part9 ガム
Part10 たばこ
Part11 飛行機
Part12 船
Part13 タートルネックの服
Part14 ネクタイ
Part15 あくび
Part16 ハミング
Part17 ささやき声
Part18 昼寝
Part19 枕
Part20 ジェットコースター
Part21 カラオケボックス
Part22 ×××


さあ、Part4の“スポーツ”です。

日頃から発声はスポーツに酷似していることはお伝えしています。

今回はもう少し深くまで真相を探ってみましょう。

以前もお話しましたが、発声のための筋運動は、四肢のための
運動と異なり、随意筋でありながら意図的にコントロールできないのが特徴です。

例えば、「あ」と発する筋運動と「け」と発する筋運動は、筋肉の動きを
違えているのですが、それがどこだか判断できていません。

音階の「ド」の音と「ラ」の音でも同様です。

さらに、大きな声と小さな声も。

しかし、手足の動きなら、誰にでも解釈できます。

例えば、サッカーボールを右足で蹴る動きと左足で蹴る動き。

じっくり観察して考えれば、どのあたりの筋肉を使い、どのような力加減で
動かしてボールを蹴っているかわかるはず。

しかし、声を出すことに関しては、どの筋肉を、どうやって
どんな強さで動かしているか、誰にも計り知れないのです。

そう、まるでブラックボックスのようなもの。

このように、発声が運動に似ているといっても、筋肉の存在とその運動が
一致するだけで、感覚や自在度合いの点は同じではありません。

さて、今回は賛否両論でしたね。

上記の話題を進めると、シリーズの意図からどんどん外れていますので、さっそく本題へ。

スポーツをすると声に良いのか悪いのか?

これですよね。

質問がありました。

「プロスポーツ選手は歌が上手いって聞いたんですが、本当ですか?」

答えとしては。ある意味、正しいですね。

理由は二つ。

一つは、運動によって筋動作の感覚とリズムを獲得していること。

やはり、歌は、ある種の運動であることには変わりありませんからね。

もう一つは、運動によって心肺機能が発達していることです。

呼気効率が良い、つまり、肺活量や呼気圧の点で
一般人より優れている可能性が大です。

実際に、プロ野球選手、Jリーガー、関取が歌手顔負けの
歌をリリースしている例がたくさんあるのは周知の事実です。

ならば、「スポーツをした方が声に良いの?」となりますが
スポーツの種類、やり方や時間の観点で差異が生まれてきます。

まず、本気で声を大切にするなら、危険なスポーツは避けるべきです。

格闘技やラグビーで、相手の腕が喉に当たり、喉が変形して
声に障害を生じた患者さまを幾人も診てきました。

このように、事故によって喉頭外傷を起こしやすいものは
声に悪影響を与えることもあります。

ただし、稀ですから、むやみに恐れるものではありませんが。

次に、やり方や時間です。

これは、運動の内容や運動を終えてから発声するまでの時間を示します。

準備運動や軽いスポーツなら、全身の循環機能が向上して発声に好影響です。

逆に、ハードなスポーツの直後は、呼吸が乱れたり筋疲労を
起こしたりして、声が出にくいことを知ってください。

知人および当サロンに来る歌手・アナウンサー・声優・俳優など
いろいろ訊いてみましたが、「歌のためにスポーツは控えている」
「気にせずスポーツをしている」「むしろ声のために運動をしている」などさまざまです。

やはり賛否両論。

結論を申せば、スポーツは筋感覚やリズムの点から声に
良いのですが、種類や方法によっては、声に良くない可能性もあることを
理解して運動することが大事でしょう。



~メッセージ~
この記事は投稿時の情報・見解・施術法であり、最新・正確・最良でない可能性があります。内容に関し一切の責務を負いません。その旨ご承知いただきお読みください。會田の理論と技術は毎日進化しています。
by aida-voice | 2011-04-22 14:14