歌舞伎の発声


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歌舞伎の発声の特徴をお伝えしましょう。
以前、歌舞伎や能を含む和唄は、伸びやかに昇る音色を求めず、軟口蓋に留める密閉された深い音色であることはお伝えしました。
言ってみれば、西洋歌唱と異なり、やや高めで響きを押し殺した声。
江戸時代、音響環境の粗悪な小屋や舞台で、遠くまで聞こえるための独特な発声を構築していったのでしょうね。
とくに女形は、本物の女性より甲高く、ある意味女らしい。
そこに芸術性が活きてくるのです。
さて、当サロンでは、これまで歌舞伎を演ずる著名な役者を多く診ています。
この女形の声は、とんでもなく無理をした声です。
多くは喉を固めて高音を出すため、喉頭筋過緊張や声帯結節に罹患しやすくなります。
また、喉頭捻転が多いことも特筆すべき点です。
この喉頭捻転は軟部組織の左右差から生じるものと考えます。
一方の茎突咽頭筋がTightになり、反対側の中咽頭収縮筋がTonusとなり、さらに発声時に肩甲舌骨筋が大きく浮き上がる様相を呈します。
歌舞伎の世界は世襲が多く、3歳から舞台に立つ役者さんも多くいます。
ずっと声を使い続けるのです。
本当に厳しい職業だと思います。
しかし、伝統芸能を守っていかなければならない・・・
生得的に喉筋の柔軟性があり上喉頭動脈の血流が豊富な歌舞伎役者は、音声のトラブルに悩まされることは無いでしょう。
それ以外は、ずいぶん過酷な状態で続けている方が多いと感じています。
日本芸能を守り続けるのも大変ですね。

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追記:歌舞伎を演ずる皆さまへ・・・
幼少のころから稽古の連続、本当におつかれさまです。
音声のトラブルを避けるには、次の二点が大切。
①喉頭の柔軟性
②喉頭の血液循環
どんなに長く練習しようが、どんなに大きな声で演じようが、上記の二点が獲得できていれば声で苦しむことは少なくなります。
喉と声を大切にして、日本の素晴らしい芸術を守り続けてください。






~重要なお知らせ~ ●外喉頭から考究する発声の理論と技術は日々進化しています。この記事は掲載時の情報であり、閲覧時点において最新・正確・最良でない可能性があります。すべての記事の内容に関し、一切の責務を負いません。●記事の内容は万人に適合するものではないため、当サロンの施術に関し、記事の内容通りの効果や結果は保証も確約もしておりません。〔当サロンでは役立てないと判断された場合、理由を問わず施術をお断りします〕●声や喉の不調は、最初に専門医の診察を受けてください。歌唱のトラブルは、最初にボイストレーナー(音楽教師)にご相談ください。





by aida-voice | 2016-02-03 16:43