声を出さずに輪状甲状筋トレーニング【高音発声の極意】



e0146240_22101083.jpg

 

Past Article Reorganization

言わずもがな高音や張った声に必要な輪状甲状筋。
この輪状甲状筋を鍛えるメソッドが世の中にはいろいろありますが、今日は声を出さずにトレーニングする方法をお教えしましょう。
最初に大切な条件があります。
それは、喉の柔軟性を獲得していること。
そう、舌骨、甲状軟骨、輪状軟骨、気管軟骨は支柱である椎骨から独立して空中に浮いています。
自由に動かなければ、輪状甲状関節のヒンジ運動とスライド運動は適切に作動しません。
肩関節の動きが悪くて腕が上がらないひとが、テニスのサーブの特訓をしても、決して上手くなりませんよね。
これと同じ。
さて、その条件さえクリアしているあなたなら、この無声トレーニングは大層な効果が期待できます。
声を出さずに素晴らしい高音トレーニングとなるのですから。
高音発声の極意となるかも・・・
つまり、電車の中でも、学校でも、就業中でも、いつでもどこでもできちゃうのです。
方法は簡単。

①「ウォ」「イッ」を連続で、声にせず、発声する
②咽頭共鳴腔拡大を保持しながら、ウォは低音を、イッは高音を意識する
③くちびるは半開きとし、決して動かさないこと(舌も動かさないこと)
④喉頭をリラックスして、息の流れを止めない
⑤最初はゆっくり、徐々に速度を増して、最後は高速で
⑥常に高音と低音のイメージをしっかり持つこと

正しくできると、輪状甲状筋の筋腹がギュギュッと動くのを触知検査で確認できます。
それは、それは、感動的ですよ。
なお、客観的には、輪状軟骨上端と甲状軟骨の下端が最大2㎜縮む計測結果も出しました。(外皮からの計測器具は眼科手術用キャリパーを使用)
さらに、筋硬度では、対象が小さいことと甲状腺の直下にあるため、測るたびに値が異なるのですが、正しくできていれば10Tone以上増加するのではと考えています。
最後に、重大な結果もお伝えしなければなりません。
このトレーニングを百数十人に試してもらいチェックしたところ、初めから正しくできるのは、残念ながら2割以下でした。
したがって、このトレーニングで高音や張った声がなかなか獲得できないひとは、喉頭周辺が硬い【※】か、または、やり方が間違っていると考えられます。
やはり、正確に行わなければ効果は得られませんので、ご注意くださいね。



e0146240_1603276.jpg






追記1:⑤の高速の反復は、正確無比なビブラートの習得にも一役買いますね。




追記2:写真(ラフ絵画に変更)は米国メイヨークリニックでの摘出喉頭(解剖は医師)の触知実験の様子。輪状甲状関節を他動的に動かしたものです。緑線は甲状軟骨下端で青線は輪状軟骨上端です。上図から下図のオレンジ腺の違いに注目してください。輪状甲状関節って、本当に動くのですよ。
最後に、医学のためにご献体くださった心優しき方に、深謝の念と共に、心からご冥福をお祈りします。


e0146240_17444745.jpg





追記3:急激な高音発声による輪状甲状筋損傷にご注意ください!




追記4この方法は、本番前、楽屋などで声を出せないときのウォーミングアップにも最適です。是非、正しく習得してください。希望者には、再来施術後の防音室内でチェックします。




【※】:中咽頭収縮筋、下咽頭収縮筋、輪状咽頭筋などに硬さがあるひと…、くだけた言い方では「筋肉のこり」のあるひとは、喉頭の自由度合いが少ないと考えます。実際、これらは主に嚥下摂食のための筋肉で、発声のための筋肉ではありません。しかし、これらの筋肉が硬くなったり、こったりすると、なにやら発声に悪影響。もちろん、多少硬くなっても、食べられなくなることはありませんので心配は無用。そう、病気ではなく、筋肉の癖のようなもの。この悪癖を解消しなければ、喉頭全体が LDP (喉頭深奥ポジション)となり、輪状甲状関節の余裕ある十分な動きを得るのは難しくなります。


e0146240_11192864.jpg




喉と声のスポーツトレーニング&リラクゼーション
 ボイスケアサロン
 會田茂樹|あいだしげき





~重要なお知らせ~ ●外喉頭から考究する発声の理論と技術は日々進化しています。この記事は掲載時の情報であり、閲覧時点において最新・正確・最良でない可能性があります。すべての記事の内容に関し、一切の責務を負いません。●記事の内容は万人に適合するものではないため、当サロンの施術に関し、記事の内容通りの効果や結果は保証も確約もしておりません。〔当サロンでは役立てないと判断された場合、理由を問わず施術をお断りします〕●声や喉の不調は、最初に専門医の診察を受けてください。歌唱のトラブルは、最初にボイストレーナー(音楽教師)にご相談ください。




 
by aida-voice | 2016-03-29 18:11