後輪状披裂筋(こうりんじょうひれつきん)のなぞ


知人歌手と質疑応答の中で気付いた点がありましたのでお伝えします。
「ボクは声門閉鎖が弱い気がするのですがどうでしょうか?」と尋ねられ、喉頭機能模型を使って声帯ヒダの開閉メカニズムを説明していたときです。
手に触れた模型の後輪状披裂筋の形が面白いことに気付きました。
「こんなに薄くて広がっている・・・、まるで団扇(うちわ)のようだ、なぜこのような形状なのだろう!?」と疑問に思いました。
さっそく文献を紐解き、わたしが行ってきた解剖の動画を繰り返し見直しました。
その結果、ある事実がわかったのです。
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声帯を開くときの代表が、この後輪状披裂筋。
披裂軟骨の筋突起に付着し、外転させながら声帯を開きます。
この運動には大きな力が要るはず。
筋突起上に線維が集まっていることからもパワーの程が測り知れますよね。
ご存じのように、筋力は、筋肉(筋腹)の横断面積に比例します。
すなわち、筋線維の豊富さが筋力に準ずると言っても良いでしょう。
輪状軟骨の裏側(頚椎との間)は空間が狭いので、丸々とした太い筋肉になり難いと考えられます。
そう、平たく広がって筋力を獲得するようになったのでしょうね。
多分・・・(苦笑)
摘出喉頭(解剖は医師)による触診研究のとき「なんて薄いの!」と絶句した記憶が鮮明によみがえりました。
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ボイスケアサロン
會田茂樹(あいだしげき)



追記1:痙攣性発声障害や過緊張性発声障害の発症時も、この後輪状披裂筋の状態が重要な Key となります。外喉頭筋を十分に弛緩させ、High-technic で上手に甲状軟骨を反転させれば触診は可能です。為し得るには十分な知識と技能が必要です。危険ですからマネしないでね!
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追記2:当記事は昨年に掲載した「後輪状披裂筋のなぞ」に加筆修正した最新版です!




~メッセージ~
この記事は投稿時の情報・見解・施術法であり、最新・正確・最良でない可能性があります。内容に関し一切の責務を負いません。その旨ご承知いただきお読みください。會田の理論と技術は毎日進化しています。
by aida-voice | 2011-02-06 00:41