いい湯だな~〔風呂の効用〕


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お風呂に入りながら歌うと「すごい、わたしって歌がうまい!」と感じることがありますよね。
この「いい湯だな~」を科学してみましょう。
まず大切なのは、本当に歌がうまくなったかどうかです。
これに関してですが、歌唱は技量を伴うものですから、風呂に入った瞬間に歌のテクニックが上達するような奇跡はないと思います。
したがって、単純に聞こえが良くなると考えるべきでしょう。
そこで、「なぜ聞こえが良くなるのか?」
考察できる点を列挙します。
①空間
一般的に風呂場は狭く、周囲には音を吸収する素材が少ないため、よく響きます。
そのため、エコーをかけたようになります。
また、反響した自分の声が、通常の空間よりも素早く耳に到達し、ボリュームも増すため、さらに良声に聞こえます。
②湿度
当たり前ですが、風呂場は多湿ゆえ、『声帯表面の粘膜は濡れていないと振動しない』標語が最も活かされる環境になりますよね(笑)
内喉頭は加湿され、声帯粘膜の効率はアップします。
ガラガラだみ声のひとも、声帯のエッジが揃いやすくなるので、このときだけは美しい声になる可能性もでてきます。
③温度
入浴によって喉そのものを温めるものではありませんが、お湯の温度が38~40度ほどありますから、身体全体の血流が良くなり喉頭周辺にも好影響を与えます。
そう、喉筋の運動性能が上がります。
ここで注意して欲しいことが二点あります。
一つ目は、首までお湯につからないこと。
お湯で発声のための筋肉が直接的に温まり、筋肉が弛みすぎてしまい運動能力が落ちてしまうからです。
二つ目は、冷えた体の状態で熱いお湯につかると、血圧が急激に上昇するので気をつけてください。
④水圧
お湯につかることで腹部と胸部に水圧がかかります。
これが歌唱のための呼吸に対し有用に働くことがあります。
ただし、「湯船につかると歌いにくくなる」と言った意見もありますので、個人差があるのでしょうね。
これからの検証課題です。
⑤リラックス
お風呂は、何よりも心身共にリラックスさせます。
喉の緊張もほぐれ、歌いやすい状態になるのです。

以上のことから「すごい、わたしって歌がうまい!」と錯覚してしまうのでしょうね(笑)

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by aida-voice | 2016-03-10 09:52