腹筋をすると声が悪くなる?


優秀なボイスアドバイザーである小林太一先生から質問をいただきました。
「筋トレで身体を鍛えているのですが、腹筋をすると喉の筋肉が硬くなって悪影響、つまり声が悪くなることはありませんか?」
答えはNOです。
なぜなら、首を支えたり動かしたりする筋肉と、発声するための筋肉は異なっているからです。
そう、目的やシステムが違うのです。
仰向けで腹筋を行うと、顔を上方にあげる際に胸鎖乳突筋などは鍛えられ筋肉が強くなる可能性はありますが、喉の筋肉そのものは硬くなりません。
各種筋トレで、直接的に声が悪くなることはないでしょう。
安心して筋トレしてください。
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ボイスケアサロン
會田茂樹(あいだしげき)



追記1:上体を起こす腹筋トレーニング時には顎(オトガイ)と胸骨が近づきます。このとき胸骨舌骨筋が収縮する様子を確認しました。残念ながら現段階では能動的活動をしているかどうかは定かではありません。今後の検証をお約束します。


追記2:「顔を持ち上げる腹筋をすれば輪状甲状筋が鍛えられる!」と某ボイストレーナーがおっしゃっていましたが、残念ながらこの場合は胸鎖乳突筋が作用し、輪状甲状筋は動きません。なぜなら甲状軟骨と輪状軟骨は空中に浮いた状態ゆえ、首を動かしても輪状甲状関節には影響しないからです・・・



追記3:筋トレをし過ぎて声が出なくなったひとが来院しました。耳鼻科では問題ないそうです。
詳しく検査してみると、胸鎖乳突筋と共に胸骨舌骨筋および喉頭周辺筋群(咽頭収縮筋を含む)がメチャクチャ硬くなっていました。筋硬度は、なんと75Toneオーバー。この数値では声が出ませんよね。立位体前屈で例えるなら、指先が膝にも届かないようなもの。こんな状態でスポーツをしても、上達は難しいでしょうし、ケガをしてしまいますよね。これと同じ。では、なぜ、筋硬度が上がってしまったのか? 筋トレの様子を詳しく聞きだしたところ、かなり本格的かつハードにトレーニングしていたのです。そして、自己記録を日々塗り替えるべく、雄叫びを上げながら実行する事実を突き止めました。そう、筋トレしながら発声していたのです。それも過度な力を入れて。これでは発声に関与する筋肉たちも力み過ぎて、過緊張発声の癖を余儀なくされてしまいます。筋トレのやり過ぎには十分注意しましょう。




~メッセージ~
この記事は投稿時の情報・見解・施術法であり、最新・正確・最良でない可能性があります。内容に関し一切の責務を負いません。その旨ご承知いただきお読みください。會田の理論と技術は毎日進化しています。
by aida-voice | 2011-01-11 00:39