アタランス・トリートメント(Utterance treatment)の楽譜


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そう、これがアタランス・トリートメント用の楽譜。
何をするのか?
発声しながらピンポイントのストレッチを行います。
安達晃先生に依頼し作っていただいた専用CDを使用します。
つまり、発声施術。
これによって喉頭性能を向上させます。
中でも、痙攣性発声障害や過緊張性発声障害の方々に効果的ですね。
行うにあたり、重要な要点が二つあります。
一つは、本当に繊細なストレッチであること。
施術を受けなければわからないのですが、指先だけを用いたピンポイントの伸展動作。
発声時の動きを正確に捉え、筋線維を一本一本ほぐし、動く範囲を広げていきます。
また、血行も促進され、運動性能がアップしますよね。
二つ目は、発声内容によって狙う場所が異なること。
楽譜の1番と2番のときは、外喉頭筋群(とくに肩甲舌骨筋)、茎突舌骨筋、茎突咽頭筋、中・下咽頭収縮筋、輪状咽頭筋のストレッチを目指します。
楽譜の3番と4番のときは、声帯の開閉を担う後筋(後輪状披裂筋、外側輪状披裂筋、横・斜披裂筋、甲状披裂筋)と舌骨上筋群を目指します。
その際は、甲状軟骨を軽く反転させ指を挿入します。
もちろん、その前には十分な施術による筋柔軟性の獲得が必須。
楽譜の5番と6番(発表は控えます)のときは、輪状甲状筋をダイレクトにストレッチします。
高音から低音に移るとき、輪状軟骨を前後にスライドさせて、輪状甲状筋斜部の活性化を促しましょう。(5番)
逆に、低音から高音に移る瞬間に、輪状甲状関節のヒンジ運動可動域拡大を補助すると、高音発声がうまくなりますね。(6番)
さらに、〔声を張る〕ことが容易になってきます。
たった数分のアプローチですが、『発声は喉の運動』の観点から考えると、素晴らしい効果が期待できるのです。
キチンと成果を上げるには相当の修練(指先の触角の練磨)が要りますね。
簡単ではありません・・・
このアプローチは、音楽と喉頭科学と触診技術の超融合であると自負しています。



ボイスケアサロン
會田茂樹(あいだしげき)



追記:供覧したスコアは女性用ですが、もちろん男性用もあります。また、歌に特化しない方には朗読「雨にも負けず」を使用しています。

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~メッセージ~
この記事は投稿時の情報・見解・施術法であり、最新・正確・最良でない可能性があります。内容に関し一切の責務を負いません。その旨ご承知いただきお読みください。會田の理論と技術は毎日進化しています。
by aida-voice | 2010-12-19 00:04