喉の不随意運動 (とくに頚部ジストニアについて…)


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ヒトの筋肉の中で、喉の周辺ほど思い通りに動かない箇所はありません。
ボールを投げる運動を簡単に解析してみると、指の筋肉でボールをつかみ、肩の関節を回して腕を後方に移動させ、胸と上腕の筋肉で腕を振って、体の前方に達したっとき指の筋肉を緩めてボールをリリースする。
正確でなくとも、何となく理解できます。
しかし、喉は違います。
パソコンの「パ」を言うとき、どの筋肉をどのように動かして声を作っているか、あなたは感じ取ることができますか?
無理でしょう。
では、音階のドとラではどうでしょう。
あなたには筋肉の場所や運動の相違が解釈できないはず。
そう、誰にもできません…
このように、喉の筋肉は、自身で感得できない存在になっています。
さて、筋肉であるかぎり、病的な痙攣や不随意運動があります。
声に関して挙げれば、痙攣性発声障害・音声振戦症・頚部ジストニアなどがあります。
これらの診断は、専門の医師に任せるとして、当サロンでは病気による外喉頭の状態を観察および解析し、「病気を治すのではなく、日常生活に支障ない程度までの楽な発声運動を養う」ことを目的としています。
痙攣性発声障害・音声振戦症・頚部ジストニア、および、過緊張性発声障害などの病気に罹患しますと、必ず起こる現象があります。
それは、筋硬度を高めながらの努力型発声。
喉の筋肉が不随意運動を起こし、声を出すことに一生懸命になります。
その結果、筋肉の悪癖として、筋そのものの運動性が低下し、硬くなってしまいます。
ますます声を出すことが困難に。
これでは悪循環。
そこで、筋硬度をやわらげる好循環のスパイラルを作っていかなければなりません。
その方法がいろいろあります。
もちろん、医師による筋弛緩剤やボトックス(ボツリヌス菌の毒素)注射などがありますので、そちらは専門医に相談してください。
ここでは、あくまで発声を運動と捉え、その性能を上げることに徹しています。
以下に列記します。
①物理療法:ⅰ喉頭牽引、ⅱ赤外線レーザー、ⅲホットパック、ⅳ微弱電流、ⅴ喉頭専用低周波
②手技療法:ⅰ喉頭クリニカルマッサージ(京都大学名誉教授一色信彦先生命名)、ⅱピンポイント・マイクロストレッチ、ⅲ喉体操
③貼付療法:ⅰ弾性テーピング、ⅱゲルマニウムシート
これらを適切に行うことで筋の運動性を高め、喉の不随意運動を封じ込めます。(完治するのものではありませんよ…)
最近では、とくに③ⅰのテーピングが効果的。
不随意運動を呈する筋肉に貼付すると、高い確率で発声が楽になります。
コツは、A:不随意運動を起こしている筋肉を確実に見つけ出すこと、B:起始停止を各1センチ程度超えて、筋の走行に沿って的確に貼付すること、C:筋幅からはみ出さないこと、D:弾性テープは、皮膚を伸ばしテープは伸ばし過ぎないこと、E:とくに発声時の頚部ジストニアは肩甲舌骨筋に注目し、前腹と後腹を分けて、筋形と走行を正確に判断して貼ると、好結果を生む場合が多いこと、が挙げられます。
これは、痙性斜頚のひとが、頬のあたりを触ると不随意運動がピタッと止まることに似ているのかもしれません。
詳しくはサロン内で、実際に貼りながら説明しますね。



ボイスケアサロン
會田茂樹(あいだしげき)



追記1:《発声時の頚部ジストニアのテーピングに関して》
この病気は両側性の発症が少ないため、必ず不随意運動を起こす側のみ貼ってくださいね。
また、中間腱には伸び縮みしないホワイトテープを使用すると、なお効果的。



追記2:当サロンは医療機関ではありません。外喉頭から発声能力を高める施術を行うのみです。痙攣性発声障害・音声振戦症・頚部ジストニアなど音声障害の診断は、信頼のおける優秀な専門医にご相談ください。




~メッセージ~
この記事は投稿時の情報・見解・施術法であり、最新・正確・最良でない可能性があります。内容に関し一切の責務を負いません。その旨ご承知いただきお読みください。會田の理論と技術は毎日進化しています。
by aida-voice | 2011-01-20 19:52