カラオケ過励(かれい)発声


最初に言葉の解説。
過励(かれい)とは「励(はげ)み過(す)ぎる」意味の個人的な造語です。
簡単に申せば『がんばりすぎ』のこと。
一般的には通用していません。
この点をご了承ください。
さあ、ある検証です。
カラオケと生伴奏(キーボード演奏)で同じ曲を歌います。
それぞれ歌い終わったとき、体の疲労状態と、喉の筋肉の張り具合を比較します。
体の疲労は、歌った本人の自覚や感想。
喉の筋肉の張り具合は、繊細な触診。
その結果、生伴奏のときに比べ、カラオケのときは疲れが大きいと感じるようです。
また、カラオケを歌った後の外喉頭筋はやや張っていました。〔弾性増加〕
筋硬度計でも比べましたが、この装置では大きな数値変化は見られませんでした。
やはり客観性には欠けますが、慣れた触診の方が変化を探知しやすいと思われました。
これらのことから、生伴奏で歌うより、カラオケで歌う方が疲労度合が高いのではと推測されます。
なぜでしょう?
これは、カラオケの場合、伴奏曲がかなり主張しているため(音量や音圧を含む)、歌う側もフルボイスで負けじと声を出すからではないかと考えます。
つまり、勝負するものではありませんが、はりあっているようなものです。
もちろん、カラオケを製作したひとは歌い手のことを第一に考え、より良い伴奏曲にしようと一生懸命に作ってくださっています。
すなわち、カラオケ曲そのものが、一つの作品として存在することを意味します。
その曲と、それを利用して実際に歌うひととで『合作』して作品を作りあげていかなければなりません。
加えて、歌う側からすり合わせていく努力も疲労につながるのではと考えます。
エンジョイする程度なら、カラオケをうまく利用できるでしょう。
だから、カラオケはステキ。
わたしも大好きで、ときどきカラオケボックスにこもって楽しんでいます。
しかし、がんばり過ぎてしまう。
その点、生伴奏ならば、腕前にもよりますが、リズムや呼吸を歌い手に合わせてくれるため歌いやすくなります。
そう、歌うことだけに集中すればいいのです。
とくに伴奏者が、歌手を主役として立てるポイントを知っている場合は、極上の曲に仕上がりますね。
だからこそ一流歌手は伴奏者にこだわるのです。
皆さんもカラオケの過励発声には気をつけましょう。
度が過ぎると、過緊張性(努力型)発声や音声障害の病気にもなりかねません・・・
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ボイスケアサロン
會田茂樹(あいだしげき)




追記:長時間歌った場合、生伴奏に比べ、カラオケでは「ガラガラ声」になる率が多いのも判明しています。このケースの「ガラガラ声」は、①声帯のむくみ、②声帯粘膜の乾燥、③筋疲労による発声関与各筋の動作不良などが考えれます。カラオケを歌い過ぎて声が嗄れるのも【カラオケ過励発声】だと言えるでしょうね。



~メッセージ~
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by aida-voice | 2010-10-19 04:30