肩甲舌骨筋が動く!?


Past Article Reorganization 

胸鎖乳突筋筋膜との癒合がないケースで、肩甲舌骨筋の弛緩時と緊張時の移動距離が最大のひとの絵を供覧します。
簡単に言えば『肩甲舌骨筋が動いた』のです。
写真撮影も行いましたが、筋腹の盛り上がりが見え難かったため、模式図にしました。
正確ではありませんが、皮膚上から移動距離を計測したところ、約1.5㎝もありました。
弛緩時は通常、上腹と下腹は中間腱を境に折れ曲がった形をしていますが、緊張時にはほぼ一直線になったのです。
様子をレポートすると、筋肉が上方に移動しながらグッとふくれあがり、スジ張って見えます。
まるで〔力んでいる〕みたい・・・

e0146240_805036.jpg
 
e0146240_81949.jpg
 
さらに筋硬度も倍に跳ね上がりました。
その際、喉頭隆起も約2㎜めりこむように埋没するのを確認。
そうです・・・、この深奥化現象によって、発声能力低下や嗄声(させい:かすれ声)が起こる可能性が非常に高くなります。
また、瞬時に各共鳴腔の体積が少なくなるためか、閉塞的な響きの無い声になっています。
これは、一種の発声時過緊張と言えるかもしれませんね。
改善方法は、弛緩時のさらなる筋柔軟度の獲得と、緊張時のピンポイントのマイクロストレッチでしょう。
そして忘れてはいけないのが胸鎖乳突筋(Sternocleidomastoid)の存在。
現在、胸鎖乳突筋と肩甲舌骨筋の関係行動パターンを複数通り発見しています。
検証過程ですが、肩甲舌骨筋の中間腱付近と胸鎖乳突筋筋膜の癒着事情も大いに関係があると考えています。
さらには胸骨舌骨筋のかかわりあい。
胸骨舌骨筋は、肩甲舌骨筋同様、舌骨(喉頭を含む)を押し下げ、嚥下と発声の最終相を作ります。
これら舌骨下筋群の動きや働きは“力学”で解釈されます。
ベクトルのように有効線分で、大きさと向きを持つ〔量〕を量れるのです。
ここで注意しなければならないのは、ベクトル線分は2次元でなく3次元で観察しなければならないこと。
いま流行の『3D』ですね。
その3次元の結果が、深奥Position形成にも関係しています。
実際は、甲状舌骨筋と胸骨甲状筋もベクトルに関与してくるため、当記事内で詳しくお伝えするのは至難の業なのですが、胸鎖乳突筋と肩甲舌骨筋の二つの共通項は“二”。
胸鎖乳突筋は胸骨頭と鎖骨頭に分かれ、肩甲舌骨筋は上腹と下腹に分かれます。
おおざっぱに言えば、二つの筋肉がつながって一つの筋肉として存在していることになりますね。
そのためか神経支配も、共に二つの神経が関与しています。
大様に分別すると、胸鎖乳突筋は副神経と頸神経、肩甲舌骨筋は頸神経と舌下神経。
ここでも共通する“頸神経”がありました。
答えを導き出す重要な眼目です。
肩甲舌骨筋は、舌骨を固定し、喉頭を引き下げる役目があります。
摂食・嚥下には大切な筋肉。
しかし、過度に働かし過ぎると、声に悪影響を及ぼす可能性があることを知ってください。

e0146240_23261753.jpg
 




追記1:ちょっと難しい内容になりますが、肩甲舌骨筋は中間腱で頚筋膜を緊張させて内頚静脈の開在を維持していますよね。しかし、上記のケースでは、行動具合によって開在率の低下が予想されます。加えてLDPも懸念すべきでしょう。




追記2:典型的な肩甲舌骨筋のFloating(R測)の写真を供覧します〔撮影掲載許可済〕。

e0146240_15234252.jpg
 




喉と声のスポーツトレーニング&リラクゼーション
 ボイスケアサロン
 會田茂樹|あいだしげき 





~重要なお知らせ~ ●外喉頭から考究する発声の理論と技術は日々進化しています。この記事は掲載時の情報であり、閲覧時点において最新・正確・最良でない可能性があります。すべての記事の内容に関し、一切の責務を負いません。●記事の内容は万人に適合するものではないため、当サロンの施術に関し、記事の内容通りの効果や結果は保証も確約もしておりません。〔当サロンでは役立てないと判断された場合、理由を問わず施術をお断りします〕●声や喉の不調は、最初に専門医の診察を受けてください。歌唱のトラブルは、最初にボイストレーナー(音楽教師)にご相談ください。




 
by aida-voice | 2016-05-13 00:14