ディスクリプション症候群


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皆さんはディスクリプション症候群を知っていますか?
ディスクリプションとは原稿のことです。
そう、日常生活内の会話は何の問題もないが、原稿を読むとき『喉が詰まる』『初音が出難い』『声が響かない』『言葉を噛んでしまう』『高音が出ない』と言った症状が出てくるのです。
耳鼻咽喉科で内喉頭(声帯など)を診てもらっても異常がないと言われます。
なぜなら、声帯や咽頭内部の病気ではないから。
さらには、「それほど調子が悪いなら心療内科を紹介しましょう」と。
では一体、どうなっているのでしょう。
これまで、多くのアナウンサーの喉を診てきました。
テレビの第一線で見かけるキャスターから、高校の放送部のアマチュアアナウンサーまで。
プロに関しては、NHKや大手および地方の民放テレビ局、ラジオやテーブルテレビまで。
どんなにベテランになっても、カメラやマイクの前で原稿を読むのは緊張するそうです。
それでも、何も気にならないひともいれば、楽に出ないひともいるのはなぜでしょう。
答えがわかってきました。
それは・・・、“喉頭の深奥ポジション化”にあったのです。☞ LDP
つまり、甲状軟骨が深い位置となってしまうことです。
その際の喉頭周辺筋状況は、過緊張性発声に近い様子を呈します。
肩甲舌骨筋および胸骨舌骨筋の浮き上がり、茎突咽頭筋や茎突舌骨筋の緊張、上中下咽頭収縮筋の硬化などでしょうか。(もちろん咽頭収縮筋は嚥下関与ですが、この筋肉が硬くなると声にも悪影響であることが判明)
そして、甲状軟骨が沈潜していきます。
喉頭深奥ポジションでは、女性だと、のどぼとけがくぼんで見えたり、男性だと、のどぼとけが見えなかったりすることもあります。
この状態で原稿を読もうとすると、間違わないようにとの緊張もあいまって、各筋肉がさらに硬くなります。
そして、喉の動きが緩慢になることと、音色を担う咽頭共鳴腔が狭くなります。
これでは、アナウンサーの役目をまっとうできません。
また、ご存知の方もいらっしゃると思いますが、ニュースなどの原稿作成には、原稿ライターがおり、その原稿ライターの作った文章を間違わずに読まなければなりません。
句読点もです。
つまり、息継ぎや切る場所も的確に指定されて来るのです。
多くは、変えてはいけません。
もし、原稿ライターと文章に関して気が合わなければ、苦痛になります。
そんなこんなを続けた後、深奥ポジションは助長され、最終的にディスクリプション症候群となってしまいます。
追加情報として、ディスクリプション症候群のひとは、甲状軟骨・舌骨・輪状軟骨が深いため、喉の乾燥や咽(むせ)が多くなりますね。
乾燥は、甲状軟骨と舌骨の間隙が狭くなり、上喉頭動脈の血流が減少し、内喉頭の分泌液が出難くなるためです。
咽や空咳(からせき)が多くなるのは、輪状軟骨が迷走神経の一部を軽く圧迫するためではないかと考えられています。
次に良くなるメカニズム。
特徴や構造がわかっているため簡単。
①喉頭の過緊張を取り去る→②その柔軟性が常に続くようにする→③喉頭の位置が前に出る→④発声が思い通りになる
ただし、アプローチの相手が軟部組織ならびに個人差の存在により、アッと言う間によくなるひともいれば、まったく改善できないひともいます。
本格的に良くなると、「最近、のどぼとけが見えるようになってきた!」「のどが大きくふくれてきた!」と、自分でも感じたり周囲から指摘されたりします。
ディスクリプション症候群には注意してくださいね。
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by aida-voice | 2016-03-07 00:06