声楽は、韓国や中国のひとに敵わない!?


Past Article Reorganization

巷で「声楽は、韓国や中国のひとに敵わない」との会話を耳にしたことがあります。
はたして本当でしょうか?
検証してみたいと思います。
以前、韓国人オペラ歌手ベー・チェチョルさんの反回神経麻痺のリハビリ的発声能力向上に携わった経緯により、韓国大使館との交流ができ、韓国の声楽状況をつぶさ知ることができたのです。
したがって、今回は日本と韓国を中心としたアジア大陸との比較ですね。
大雑把なくくりですが・・・
まずは歌をうまく歌う条件を思い出してください。
これは〔声の5大原則〕の⑤に記載したものです。
歌が上手か下手かは、フィジカル(喉の運動能力)と、テクニック(歌の技術)と、メンタル(精神や歌心)の、掛け算(積)によって決まる。
なお、メンタルは、アーティスティック(芸術性)やセンス(感性)と置き換えてもOK。
さて、ここでフィジカル、テクニック、メンタルのそれぞれの違いをみていきましょう。
最初にフィジカル。
韓国および中国の声楽およびオペラ歌手の身体を研究したことがあります。
実は、日本人と比較し、圧倒的な違いがあったのが『体格』です。
「顔かたちや身長は似ているじゃん」との声が聞こえてきますが、そこではありません。
胸郭です。
つまり胸板の厚み。(胸郭の大きさ)
これはユニクロやワコールが中国進出の際に、日本人と異なるパターンにしたと言う噂を聞いたことがあります。
ただし、中国は広大な国土で多民族国家。
また、人種だけでなく南北でもやや異なります。
南は小柄で、北は大柄の傾向が強くなります。
そして、韓国も同様。〔記事掲載時の平均身長は日本人より韓国人が高い〕
食生活の違いも大きいのか、韓国は体力(パワーやスタミナなど)も秀でています。
つまり、日本人の胸郭は薄く扁平で、韓国や中国(一部)は円筒形で大きいのです。
もちろん、すべてが合致するものではありません。
どんな場合も個人差がありますからね。
実は、ベルカントの一つの条件として『いかにストレートで呼気が排出できるか!』があります。
これは非常に重要なポイントです。
胸郭が薄いと、気管支から喉頭、そして咽口腔まで、まっすぐに上ってこない可能性が高くなります。
逆に、円筒形の場合は、一直線上に存在することが可能です。
つまり、スムーズな呼気排出ができます。
この状態で、喉頭蓋が垂直に立ち上がれば、極上のベルカントの要素が確立します。
また、薄い胸郭より厚い胸郭の方が、もちろん肺活量も豊富。
言わずもがなでしょう。
まずは、フィジカルでは韓国や中国のひとに軍配が上がります。
e0146240_21414011.jpg
次にテクニック。
テクニックは生まれつきでなく、後天的に身につけるもの。
そう、環境によって大きく左右されますよね。
日本には、優秀な音楽教師が多く、立派な機材や音響に優れたホールがたくさんあります。
したがって、声楽を習うにはこの上ない好環境でしょう。
よって日本が有利・・・?
ちょっと待ってください。
実は、韓国は儒教の国だと言われていますが、意外にもキリスト教信者が多いのが特徴です。
プロテスタントが大半を占めます。
そこで環境要因として、小さなころから教会の聖歌隊に属して歌う機会が非常に多いこと。
幼少から、生活の一部として、声楽が身に付いています。
ベーさんからも、一緒に飲みながら、聖歌隊や軍隊の様子を聞いたことがあります。
不断のトレーニングで、イチロー選手や石川遼選手のように、エリートをはぐくむ可能性は高くなります。
もちろん、日本でもできます。
ご両親が音楽家で、そのご子息が世界で活躍する音楽家になることもありますよね。
したがって、これは国別の違いでなく、そのひとの取り巻く環境で異なるため、優劣をつけることはできません。
最後に、メンタル。
やはり、ベーさんと親しくなった影響もあって、韓国主体になっていますが・・・
さて、サッカーのワールドカップやオリンピックを思い出してください。
観戦していて、どうやら日本選手より韓国選手の方が『メンタルが強い』と感じるのは、わたしだけではないような気がします。
深くはわかりませんが、国民性、日本との戦争、南北問題、徴兵制度(軍隊)など種々が関わっていると考えます。
人前に立ったり舞台にあがったりすると「ドキドキ緊張して実力を発揮できなかったよ」と言い訳が多いのも日本人の特質なのでしょうか?
これらから考察すると、声楽に関しては、やはり日本人より韓国や中国のひとに歩があるような気がします。
それを裏付けるように、世界で活躍するアジア人の声楽家の中に、日本人はほとんど入っていない・・・
みんな韓国や中国のひとばかり・・・
寂しいですね。
しかし、あきらめないでください。
日本人には日本人の良さがあります。
逆に、体の特異構造で勝ちにいきましょう。
それは、外国人と比して、声門から咽頭共鳴腔までの距離が短いことを利用するのです。
つまり、声帯で作られた喉頭原音を減衰することなく共鳴腔で色付けすることができるので、非常に繊細かつ滑らかな音を保つことが可能になります。
やはり、日本の伝統的な文化(和唄)にも相通ずるところがありました。
最近は、食生活も欧米化し、体格や胸郭が大きな若手歌手も出現してきています。
日本人としてのアイデンティティを保持しながら、どの国にも引けをとらない立派な歌を奏でてください。
期待しています!
さらには、歌には国籍はありません。
声楽やオペラがますます普及し、日本人だけでなく、世界の聴衆を魅了するアジア人歌手が増えることを願ってやみません。
『歌』ってサイコーですから・・・
e0146240_21262122.jpg







~重要なお知らせ~ ●外喉頭から考究する発声の理論と技術は日々進化しています。この記事は掲載時の情報であり、閲覧時点において最新・正確・最良でない可能性があります。すべての記事の内容に関し、一切の責務を負いません。●記事の内容は万人に適合するものではないため、当サロンの施術に関し、記事の内容通りの効果や結果は保証も確約もしておりません。〔当サロンでは役立てないと判断された場合、理由を問わず施術をお断りします〕●声や喉の不調は、最初に専門医の診察を受けてください。歌唱のトラブルは、最初にボイストレーナー(音楽教師)にご相談ください。





by aida-voice | 2016-03-04 17:22