『ベルカント唱法』 これでモノにせよ!


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声楽やオペラで至高の歌唱法と言われるベルカント。
これまで未知の歌唱法でしたが、外喉頭の発声科学から考察することで、徐々に解明されてきました。
今回は、ベルカントを運動カテゴリーから高める方法の一部をご紹介しますね。
まず、あなたの喉頭周辺筋図で、自分自身の喉の構造を知ってください。
次に、ベルカントのための喉頭蓋の動きを理解してください。
さらに、咽頭共鳴腔の働きも勉強しましょう。
そして、舌骨付着筋群(上下)の運動性を高めれば、準備万端です。
ここまでくれば、ベルカントに限らず、どんな歌唱テクニックも軽々と習得できるようになるでしょう。
ただし、ベルカントや他の歌唱テクニックが叶ったとしても、歌に対する相性や歌声の特質までは関与できませんので、この点は持って生まれたセンスや喉(楽器)の形状に左右されるかもしれません。
当サロンでは、ベルカントの科学的な基礎運動を究明して解釈するだけで、核心に迫る部分は声楽の指導者に聞いてください。
さあ、始めましょう。
まずは喉頭蓋の動き方を頭に叩き込みましょう。
嚥下の際の動画を参考に。
食べ物が食道に入って即座にパタンと倒れ、その次の一瞬、ピョンと元に戻ります。
この戻ったとき、いかに縦に立っているかが大事です。
さて、喉頭蓋を立てるトレーニングです。
水(常温の天然水:ボイスケアサロン声専用ウォーターがお薦め)を少量口に含みます。
おちょこ程度の分量で結構です。
両手の母指で、舌骨後端部分を皮膚上から圧着させます。
水をゴクッと飲みこみます。
このとき、甲状軟骨が大きく上へ移動するアクションを心がけてください。
甲状軟骨が上がり、元に下がった瞬間、声を出しましょう。
発する声は、喉頭蓋が立ちやすい「イ」音で、自分の欲するピッチの数度下から始め、慣れてきたら上げていきましょう。
と同時に、舌骨を前方に引き出します。
その際、母指と示指(屈曲状態)で皮膚をつまむと良いでしょう。

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このタイミングと力加減が非常に重要となります。
成否の決め手は、ここにあると言っても過言ではありません。
そして、何度も繰り返さなければ体得できないと考えます。
実は、喉頭蓋を立たせる筋肉は存在しません。
嚥下の際に甲状軟骨が上がって、次に下がるときに、喉頭蓋が立つメカニズムを有しているだけです。
その喉頭蓋を、より垂直に立たせるには、上記の手法が効果的なのです。
喉頭蓋が垂直になりやすいよう、舌骨を前方移動させ、舌骨喉頭蓋靭帯靱帯で引っ張り込むのが目的。
ここでは良い音を求めるものではなく、喉頭蓋の動きを感知するのを主としているため、唇(くちびる)や口腔内は極力動かさないことも大切。
また、イメージとしては、高音が頭上に昇ったり下向きに支えたりする感覚ではなく、ピッチに関わらず、あくまで自由に楽に喉を解放してやる感覚です。
正確な方法で、何度も繰り返して身体に覚えこませれば、本物のベルカントを体得しやすくなるはず・・・
お試しください。




追記1:喉頭蓋ビジュアル検証

MRI矢状断面(赤色が喉頭蓋)
 
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MRI水平断面(赤色が喉頭蓋)
 
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摘出喉頭〔解剖は医師〕の触診時の真上からの絵(下絵のオレンジ色が喉頭蓋)
 
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喉頭蓋の動きと弾性をチェックしている絵(下絵のオレンジ色が喉頭蓋)
 
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アメリカ合衆国メイヨークリニック喉頭機能外科教室にて
ご奇特なご献体者に御礼を申しご冥福をお祈りいたします
 




追記2:以前もお伝えしたように、わたしは「正確無比なベルカントとは何か?」を知りません。ただ、これまで、それはそれは多くの声を聞き、喉を見てきました。世界的オペラ歌手から、合唱を始めたばかりの中学生まで。コンサートやリサイタルにもしょっちゅう出かけ、CD(サロン内の窓下にあるCDラックの荘厳さに驚きますよ)を聴き、DVDばかり飽きることなく鑑賞して検証に勤しんでいます。そこで、「多分これがベルカントの声だろう」と予測できるようになりました。その音声とは、音の大小にかかわらずどこまでも伸びやかで、聴き手にも歌い手にもストレスなく、心地よさと魂を奪われる音が混在してる・・・。そして、その発声をしているときの喉と身体をつぶさに調べつくしたところ、『ある程度の答え』が出てきました。ここまで調べて結果を得るのに、長大な時間と労力がかかりました。しかし、まだまだ研究途中です。さらなる精進を重ねます。




追記3:わたしのお伝えしている内容は「ベルカント発声時の喉の状態の考察および構築方法」であって、「ベルカントの歌い方の指導」ではありません。お間違いなく。

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喉と声のスポーツトレーニング&リラクゼーション
 ボイスケアサロン
 會田茂樹|あいだしげき 





~重要なお知らせ~ ●外喉頭から考究する発声の理論と技術は日々進化しています。この記事は掲載時の情報であり、閲覧時点において最新・正確・最良でない可能性があります。すべての記事の内容に関し、一切の責務を負いません。●記事の内容は万人に適合するものではないため、当サロンの施術に関し、記事の内容通りの効果や結果は保証も確約もしておりません。〔当サロンでは役立てないと判断された場合、理由を問わず施術をお断りします〕●声や喉の不調は、最初に専門医の診察を受けてください。歌唱のトラブルは、最初にボイストレーナー(音楽教師)にご相談ください。




 
by aida-voice | 2016-05-22 00:52