輪状甲状筋トレーニング ゴムチューブ


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高音発声に欠かせない輪状甲状筋。
今日は道具を用いた筋トレをお伝えします。
ただし、かなりの上級者向けですね。
一番初めに注意しなければならないのは、輪状甲状関節が正しく動くことが条件です。
輪状甲状関節が動かないひとは、この筋トレを行っても無意味になります。
また、この筋トレはスライド運動には適応していません。
ヒンジ運動のみ、すなわち、主に垂部を鍛えることになりますね。
さっそく始めてみましょう。
まず、トレーニング用のゴムチューブ10㎝~20㎝を準備します。
平行に保つよう両端を持って、輪状軟骨と甲状軟骨の間に差し入れます。
ゴムチューブをやや張ります。
決して押さえこまないよう。
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喉頭模型で示しましょう。
模型は、実物の数倍の大きさです。
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そして、低音と高音を繰り返して出します。
それも無声で!
無声?
そうです。
息の流れだけで行ってください。
さらに大切なポイント。
咽頭および口腔内は「イ」を発する感覚で、口や唇(くちびる)は「ア」の形状にすること!
息を切らずに低音と高音を次々・・・
なぜ、声を出してはいけないのか?
このトレーニングでは、ゴムの管状部が抵抗因子となりますので、慣れないうちは輪状甲状関節が屈曲しないことが容易に予想できます。
その状態で、実声を出してがんばってしまうと、声帯筋強縮タイプの『硬い高音』の癖がついてしまいます。
このような訳があるからです。
さあ、高音時に“ゴム管をつぶす”ような感覚で、ギュッと力を入れてください。
図解しましょう。
上絵は、無声時および低音発声時です。
下絵は、高音発声で輪状甲状関節が屈曲し、輪状軟骨と甲状軟骨の距離が縮んでいる様子です。
もちろん、上記したように声を出さず息の流れだけで行ってください。(かなり筋力がついたひとは、声を出してもOKでしょう)
黄色丸がゴム管、赤色部が輪状甲状筋垂部です。
ゴム管のつぶれ具合は、ややデフォルメしてありますが・・・
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そして、回数は自由。
筋肉が傷んだり疲弊したりしないよう気をつけながら、一日10回でも100回でも、自分の筋力に合わせてお好きにどうぞ。
インターバルも、実行する時間帯も、自由。
筋トレの肝要な点は継続。
日々、続けてください。
ひとによって効果の現れ方は異なりますが、最低でも3ヶ月くらい経過すると徐々に筋腹がふくらみ、筋力が上昇します。
こうして高音発声が楽になってきます。
ただし、輪状甲状筋の筋力がアップしても、音楽的に素晴らしい高音になるとは限りません。
もちろん、音痴も治りません。
単に、高音が出るだけ。
そう、Physical muscle training なのです。
聴くひとを魅了する高音は他に、①咽頭共鳴の活躍、②腹式呼吸の実施、③歌唱力(テクニック)の向上、④声帯粘膜振動の確保が、絶対に必須です。
お忘れなく・・・
最後に、ゴムチューブのポイントは太さと硬さ。
太すぎたり硬すぎたりすると、ゴム管をつぶせません。
これでは筋トレになりません。
また、細すぎたり軟らかすぎたりすると、効果は期待できません。
適切な管状ゴムを選んでくださいね。
それではステキな高音を獲得してください!

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追記1:大切なお知らせです。LDP状態のひとは、輪状甲状関節が不動または可動範囲が狭いため、このトレーニングはできません。




追記2:この方法は輪状甲状筋「垂部」がメインとなります。急激に高い音を出す仕組みのため、当該トレーニング時、跳躍するようなイメージの高音発声を心がけてください。また、くれぐれも練習しすぎやケガのないよう気をつけてくださいね。喉ニュースに記載した運動方法を試して喉にトラブルを起こしも、一切の責務を負いません。判断、程度、実行の可否など、すべて自己責任で行ってください。当サロンの施療を含むトレーニングは、歌をうまくするものや音声障害を治すものではありません。喉頭環境を整え、より自由に声が出しやすい状態へ高めるが目的です。




追記3:輪状甲状筋「垂部」は、輪状甲状筋「直部」と記載されている医学書もあります。同じ意味です。






~重要なお知らせ~ ●外喉頭から考究する発声の理論と技術は日々進化しています。この記事は掲載時の情報であり、閲覧時点において最新・正確・最良でない可能性があります。すべての記事の内容に関し、一切の責務を負いません。●記事の内容は万人に適合するものではないため、当サロンの施術に関し、記事の内容通りの効果や結果は保証も確約もしておりません。〔当サロンでは役立てないと判断された場合、理由を問わず施術をお断りします〕●声や喉の不調は、最初に専門医の診察を受けてください。歌唱のトラブルは、最初にボイストレーナー(音楽教師)にご相談ください。





by aida-voice | 2016-02-16 00:06